南海トラフ地震警戒情報

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相次ぐ西日本の地震活動について。「南海トラフの前兆?」「過去の慶長伏見地震前の状況と似ている?」


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西日本で地震が相次いでおり、最近では日向灘や瀬戸内海地方など「南海トラフへの影響」をにおわせるような地震活動も度々起こっています。


西日本で直下型の地震が起き始めると最後には南海トラフ地震が起きるという、南海トラフ前後の活動期と静穏期のパターンが過去の地震のデータから明らかになっているため、このような地震に敏感になることは自然なことです。


単純に考えると、フィリピン海プレートに押されている西日本の領域で直下地震が活発になるということは、内陸に蓄積された歪みがそろそろ限界に達してきていることが考えられます。


ここ最近の地震活動の推移が、1596年に起きた「慶長伏見地震」の発生前の状況と似ていると指摘があり、メディアにも掲載されました。



ではこの1596年の慶長伏見地震はどのような地震活動の推移をたどって発生したのでしょうか?


慶長伏見地震は京都府の伏見区付近で発生したマグニチュード7クラスの直下型の大地震です。


これもフィリピン海プレートの運動により蓄積された歪みを解放するために発生した地震であることには変わりありませんので、少なくとも西日本の地震活動との関連性は否定ができません。


この地震の前にはどのような地震活動があったのか、できれば中規模地震も含めた詳細なデータが欲しいところなのですが、それは無理なので、歴史資料からどのような被害地震が起きたのかを見てみます。


まず、この地震の発生する4日前に愛媛県でM7.0の大きな地震が発生しています。


これは中央構造線を震源とする大地震であったことがわかっており、「慶長伊予地震」と呼ばれています。


そしてその前日には大分県の別府湾・日出生断層帯を震源とする同じくM7.0の大地震が発生しています。


この地震は「慶長豊後地震」と呼ばれており、これも同じく中央構造線沿いに位置する断層で発生した地震でした。



慶長伏見地震はこの中央構造線で発生した2つの大きな地震に誘発されて発生した「誘発地震」だった可能性が高いと指摘されています。


また、この京都の大地震で六甲・淡路島断層帯の一部が破壊されていた可能性があり、地下深くにその滑り残しが存在していました。


これが1995年についに大きく滑り、阪神淡路大震災を引き起こしたとされています。



・慶長豊後地震(大分県)
・慶長伊予地震(愛媛県)
・慶長伏見地震(京都府)
・兵庫県南部地震(兵庫県)


これらの地震はすべて関連して発生していた可能性が高いと指摘されているのです。



そしてこの中央構造線での一連の地震活動のあとに発生したのが、1605年の「慶長大地震」です。


フィリピン海プレートによる大きな歪みを唯一解放できる「中央構造線」という長大な活断層が一気に動いたことにより、プレートの固着域に影響を与え誘発したと考えることができます。


しかしこの慶長地震は南海トラフ地震なのか?相模トラフの活動なのか?それとも房総沖で発生したものなのか?という様々な議論がされています。


津波による溺死者が1万人もいたにも関わらず、西日本では揺れによる被害の記録がほとんどなかったということが不思議でした。


その後、慶長地震についてのあらゆる学説が出されたのですが、どうしても歴史資料に残された被害の記録をそれらの学説では説明ができませんでした。


この記録に残された被害の様相やその範囲を唯一説明できるのが、「南海トラフ沿いで発生した津波地震である」という学説です。


つまり南海トラフの地震断層がゆっくりと滑ることにより、長い周波数の揺れを出し、地表ではそれほど揺れを感じず、大きな津波だけがいきなり襲ってくるというものです。



東日本大震災は強い揺れと、大きな津波を発生させた典型的な巨大地震でした。


しかし、1896年に三陸沖で発生した地震は強い揺れを伴わない「津波地震」でした。


このように同じプレート境界地震であっても毎回、同じような巨大地震が繰り返されているわけではなく時には津波地震なども発生する可能性があるということなのです。


そして南海トラフで起きた「津波地震」の例がこの慶長大地震であった可能性が高いと考えられているのです。



まとめると、中央構造線付近が活動を始めるとそれに誘発されるように次々と中央構造線沿いで大地震が発生し、その影響によって南海トラフ地震が発生するという一つの地震の発生パターンを仮説として立てることができます。


メディアで「慶長伏見地震前の状況と似ている」と指摘されているのは、おそらく熊本地震によって誘発された大分での地震や、今回の瀬戸内海地方での地震活動のことを指しており、今後中央構造線が動くと要注意ということを喚起しているのではないかと個人的には読み取っています。