南海トラフ地震警戒情報

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日向灘沖の地震(M5.2)について解説


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11月22日18時頃に日向灘を震源とするマグニチュード5.2の地震が発生しました。


この地震により大分、宮崎、鹿児島では最大震度3を観測しています。


また、日付が変わって翌日23日の1時頃に同領域でマグニチュード4.4の地震が発生しています。


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この地震がさらに大規模な地震の前兆なのではないか?


南海トラフへ影響があるのではないか?


という問い合わせが多く来ていますので、この2つの疑問に着目して今回は解説していきたいと思います。


時間の合間を見て書いておりますので、誤字・脱字・表現の誤りや、説明がぎこちない部分などがあるかもしれませんが、予めご了承ください。



日向灘での大地震に繋がる可能性は?


日向灘の領域では度々中小規模の地震が発生することがあります。


しかし、今回の地震で特に気になったのが、これまで発生を危惧していた日向灘南部の空白領域のごく周辺が震源となっていた点です。


また、2019年5月10日にもこの周辺領域ではM6.3の地震が発生しています。



過去の日向灘での地震活動のデータを見てみると、これまで単発で中小規模の地震が発生していたのが、


ある時にM4~M5前後の中規模程度の地震が頻発し始めるという現象が見られ、


その活動が収まった数日後にM7クラスの大地震が発生しています。



必ずしも、このような活動が繰り返されているわけではありませんが、地震活動はその領域や断層によってある程度特徴や個性があることがわかっています。


そのため今後も同じような推移をたどって大地震が発生する可能性は十分に考えられます。



断層は毎回ズレる量はランダムで、その規模を予測することはできません。


M4前後だったり、M5前後であったり、そして時にはM6前後の地震を発生させるほどズレ動くことがあります。


例えば、M6.3の地震が発生したときはその前に連続的な地震活動が見られましたが、そのうちの一つが偶然、普段よりも大きくズレてしまったという考えもできます。


また、M5前後の地震が多発することで周辺の応力が大きく変化して大規模な地震を誘発させたとも考えることができます。



現在、最初の地震発生から1日経っていますが中規模程度の地震が2回発生しています。


また、その内の1回がM5.2と誘発地震を引き起こすために十分な規模で発生しています。


このような過去の地震の発生パターンから考えると、仮に今後大きな地震に繋がる場合、大きく2つの活動パターンにわかれます。


■今後、さらに中小地震が頻発→数日後に大地震


■このまま活動が収束→数日後に大地震



つまり、今後さらに活動が続くようであれば、その後の大地震に注意。


今後、何も活動がなければ数日後の大地震に注意し、起こらなければ大きな地震に発展する可能性は低いと判断ができます。



南海トラフへの影響は?


日向灘の領域は少なくとも南海トラフ巨大地震の震源域内に入っています。


そのため、そこで地震が発生することで南海トラフへ影響があるのではないか、もしくは前兆なのではないかと不安になります。



震源がフィリピン海プレートから近く、地震波は少なくとも伝わり、それにより多少の影響を及ぼす可能性はあります。


ただ、現時点でM5前後の中規模地震が南海トラフ地震を誘発させる可能性は極めて低いと考えております。


まず、一つの根拠として、南海トラフ地震はほぼ単体で発生するものであるという特徴が明らかになってきているということがあります。


例えば、日向灘地震や東北地震などが仮に南海トラフ沿いでの地震を誘発させるとすると、室戸港の沈降量と南海地震の法則性が崩れてしまうことになります。


また、周期性や静穏期、活動期の関係などの様々な地学的な法則性がすべて崩れてしまうことになります。



日向灘での大地震が周期を縮めるという研究結果も出ていますが、今起きたとしても直ちに誘発される可能性は確率論的には低いと考えられます。


何を言いたいのかというと、数字で表すと理解しやすいかもしれません。



例えば、「100」が歪みの限界値で、それに近くなるほど地震の発生確率が高まり、


「100」を超えると歪みが限界であるため、いつ起きてもおかしくない状況であると仮定します。


このように考えると室戸港の沈降量などからざっくりと現在は「70」であると考えます。


そこで日向灘沖でM7クラスの巨大地震が発生して、南海トラフ沿いに大きな影響を及ぼしたとします。


すると大きな歪みが急激に加えられ「70」であった歪みが日向灘地震によって「80」に増えてしまいました。


しかし、歪みの限界値までにはまだ余裕があります。


これが周期が縮まるという意味です。



では直接地震が誘発される場合というのは、


例えば現在の歪みが「90」である場合に日向灘地震が発生し歪みが「100」の限界値を超えたことにより発生する。


もしくは既に歪みが限界を超えているときに、震源域内で大きな地震が発生することによって誘発されるというケースです。



つまり、今後仮に日向灘沖で大規模な地震が発生した場合に南海トラフ地震へ影響を及ぼす可能性はありますが、直ちに発生するという可能性は確率論的に考えると低いのではないかと考えられます。