南海トラフ地震警戒情報

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実は熊本地震、大阪府北部地震、北海道胆振東部地震は十分想定されていた地震だった!?


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内陸活断層の発生確率値を低く見積もってはいけない!

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国は地震がどのぐらいの頻度で起きるかを予測して公開しています。


例えば南海トラフでは、西南日本の太平洋沖でマグニチュード8から9の大きな地震が、今後30年以内に80%の確率で発生すると公表されています。


また、首都圏では東日本大震災以後、その地殻変動による影響で4年以内に発生する確率が70%ともいわれています。



内陸の活断層の活動周期は数千年から1万年に1回と長いため、30年以内に起きる確率では小さい値になります。


例えば阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震は、地震の起きる前では30年以内に8%となっていました。


しかし、決してこれは少ない数値ではありません。


1万年に1回の頻度で起きる地震が、30年間で8%と考えると極めて高い確率値なのです。



日本の都市部は揺れやすい

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地震は起きる確率よりも、私たちが住んでいる場所がどのぐらい強い揺れになるのかという情報のほうが防災上は重要になります。


地震が発生した場合、強く揺れる原因は大きく分けて以下の3つが考えられます。


1.震源が近い
2.規模が大きい
3.地盤が軟らかい


震源が近かったり、地震の規模が大きかった場合に強く揺れるというのは当然のことですが、


同じ大きさの地震が同じ距離で起きても、よく揺れる場所と大して揺れない場所があるのです。


それが「地盤が軟らかいかどうか」の違いです。



例えば、首都直下地震が発生したら首都圏はこの3つの条件すべてに当てはまるため揺れによる被害は極めて深刻なものになりかねません。


震度6強の揺れでも、人は立っていられず、古い木造家屋は倒壊してしまいます。


比較的新しい木造家屋であっても、建物が傾いたりするのです。



揺れやすさマップというものがありますが、それによると「関東」「名古屋」「大阪」「福岡」「札幌」など都市部は基本的によく揺れます。


その理由は都市は広い平らな場所につくられるからで、平地はかつて海の底にあった泥や砂が積もって堆積岩となり、あるとき海の水が引いたり地盤が隆起して陸化した場所です。


低いところは川が流れてきて、自然の埋立地ができます。


さらに東京湾では人工的に埋め立てて土地をつくっています。


このような軟らかい地盤に都市ができていくため揺れやすく、また、地震も多く発生するのです。



熊本地震は想定外ではなかった

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2016年4月14日と16日に、熊本県益城町で震度7の揺れが襲い、8600棟を超える家が全壊しました。


一部損壊も含めると約15万棟に及びます。


この地震により亡くなった方は「災害関連死」を含めて267人になります。



この熊本地震の後、テレビのインタビューに答えた被災者は「こんな大きな地震が来るとは思っていなかった」、「ここがこんなに揺れるなんて考えもしなかった」などと話していました。


しかし、熊本地震発生直前の確率的地震動予測地図を見てみると、益城町では27%、熊本市でも10%という確率で大きく揺れるとされています。


ここは阿蘇から流れてきた川が溢れてできた平地であり、地盤が軟らかく、揺れやすい場所なのです。


過去の歴史資料を見てみても、熊本ではマグニチュード6以上の地震が何度も発生していることがわかります。


明治熊本地震では、6年間に4回も大規模な地震が発生し、2016年と同じように熊本城の石垣が壊れたこともあるのです。


このような事実は地震学者はもちろん、熊本県庁や市役所の防災担当者は当然知っていて、地域防災計画をつくっていましたが住民の防災意識の向上にはなかなか繋がりませんでした。



大阪府北部地震も十分想定できていた

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2018年6月に大阪府北部で震度6弱を観測する地震が発生しました。


特に揺れが強かったのは、高槻市、茨木市、枚方市、箕面市です。


これらの場所は堆積層で、大阪湾岸は埋立地なのでよく揺れます。


この大阪府北部地震では5人が犠牲になりました。



小学校のプールのブロック塀が崩れ、近くにいた9歳の女の子が亡くなり、また別の場所でもブロック塀が崩れ、交通整理をしていた男性が下敷きになって亡くなりました。


このようなブロック塀が倒れる事故は1978年の宮城県沖地震で問題となり、その後、建築基準法が改正されて基準が厳しくなりました。


それでもこのようなブロック塀が倒れる事故が発生したのは、この小学校のブロック塀が違法建築だったことが一番の原因だと考えられます。



その他の被害で多かったのが、エレベーターの閉じ込め事故でした。


都市型の地震災害の場合、必ず起こるのがこのエレベーターの閉じ込めです。


大阪府、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県で合わせて約12万期のエレベーターがあるうち、5万期ものエレベーターが止まったといいます。


最新のエレベーターは強い揺れを感じると、自動で最寄りの階に行き扉を開けて止まるようにプログラミングされています。


それでも震度6弱の地震で閉じ込め事故は約300件ありました。



ちなみに大阪府北部地震直前の確率論的地震動予測地図を見てみると、今後30年以内に震度6弱以上となる確率は高槻市で23%、大阪市北区ではなんと54%という値になっていました。


つまり熊本地震同様、大阪府北部で大きな地震が発生することは十分想定できていたという事です。



北海道胆振東部地震はどうなのか?

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2018年9月6日に発生した北海道胆振東部では41人の方が亡くなりました。


胆振東部の厚真町吉野地区では、大規模な山崩れが起こり、集落が埋まって住民34人中19人がなくなったのです。


この地域は火山灰が積もった土地ですが、7月と8月の台風の影響で大雨が降り水が溜まっていました。


そこに強い揺れがあったために土砂崩れが起きました。



地震動予測地図を見てみると、厚真町は30年以内に震度6弱以上の揺れが襲う確率が16%となっています。



厚真町には北海道最大の火力発電所があり、ここでは北海道の電力の半分を作っていました。


地震の際にここで火災が発生したために、発電所が停止し、さらに北海道中の他の発電所も電力の供給をストップし、北海道全域約300万戸という大停電になったのです。



気象庁のデータで震度7を記録したのは、この地震で6回目となります。


ちなみに気象庁が最初に震度7を記録したのは、阪神淡路大震災のときの神戸と淡路島北部です。


2回目は新潟県中越地震、3回目は東日本大震災、4回目と5回目が連続して発生した熊本地震でした。