観測史上最大のマグニチュード9.0の地震が襲った2011年3月11日、首都圏の電車はJR東日本、東京メトロ、私鉄各線など全線が見合わせになりました。
さらにバスやタクシーも何時間待ちになるのかすらわからない状態。
そのため、夕方から明け方にかけて徒歩で何時間もかけて帰宅する人で道路はあふれかえりました。
JR東京駅のタクシー乗り場では100メートルにも及ぶ長蛇の列ができていました。
しかもやっとのことでタクシーに乗れたとしても大規模な交通マヒにより、100メートル進むのに約1時間もかかったといいます。
これでは徒歩で移動した方が何十倍も速い。
こういった現象は、東日本大震災だけではなく南海トラフ地震や首都直下地震などでも確実に起こるうえ、首都圏を直接襲う直下地震の場合、人々はさらに最悪な状況下におかれることは間違いありません。
もし自分がこのような状況におかれた場合、どうすればいいのでしょうか?
とりあえず電車が動き出すまで勤務先や一時避難所で待機する方法もありますが、どうしても徒歩で帰りたい場合の注意点について紹介しておきたいと思います。
まずは、焦って歩き出す前にかならず地図などで目的地までの経路や距離を確認してください。
グーグルマップなどでナビにしたがって帰る方法もありますが、災害時には携帯電話の電池はとても貴重なものですのでいくらモバイルバッテリーがあったとしてもなるべく紙の地図を用意することがベストです。
コンビニが近くにあれば大抵地図ぐらいは置いてありますので、購入しましょう。
またグーグルマップでは現在地から目的地までのナビを設定すると、到着までの大まかな所要時間が表示されますので、それだけを確認して頭に入れておきましょう。
しかし災害が起こったときの道路はがれきやガラスが散乱し、電柱は倒れ、橋が崩壊していることもあります。
道が道ではなくなり、平常時とはかかる時間も疲労度も桁違いになります。
また帰宅困難者に見られえる特徴として、そのほとんどの人が長時間歩くのに適さない靴を履いているという点があります。
例えば男性は革靴、女性はハイヒールなどです。
そのため、東日本大震災のときに都内のシューズ店はスニーカーを買う人で混乱状態となりました。
このように突然の震災により、あらゆる混乱に次々と巻き込まれてしまうと精神的にも体力的にもすぐに限界がきてしまいます。
できれば事前に会社にはスニーカーを1足常備しておく、もしくは通勤は歩きやすいスニーカーを履くことをおすすめします。