南海トラフ地震警戒情報

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気象庁が発表した「前震」は実は「本震」だった!?2度の震度7を立て続けに経験した前代未聞の内陸地震「熊本地震」

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日本列島の中でも九州地方は特に地震が多く、これまでに幾度となく地震の被害を受けてきました。


中でも私たちの記憶に新しいもので2016年に熊本県の益城町を襲った「平成28年熊本地震」があります。


本震と発表された大きな地震が発生した約2日後に、さらにそれを超える規模で地震が発生し、熊本県は「震度7」を観測する強烈な揺れに2度も連続で襲われたのです。


1度目は何とか持ちこたえた建物も、2度目の震度7には耐えきれず多くの家が次々と倒壊してしまいました。



その後も地震は頻発し、熊本県だけでなく大分県などのまったく別の離れた地域にまで誘発地震を起こしました。


この地震の余震活動は現在でも続いており、度々大きな規模の地震が誘発されることもあります。



この「熊本地震」について、数日という時間間隔で2回も連続でなぜ震度7の大きな地震が発生したのか?


そのメカニズムについて見ていきたいと思います。



内陸地震はどのようにして発生するのか?


この熊本県を含む九州中部の領域は、もともと地震の多発地帯としても知られています。


そしてその多発する地震の多くが「深さ10km」程度という浅い場所で起きています。



なぜこのような浅い場所で地震が起きるのかというと、地殻変動によって周辺の岩盤に強い力が加わっており、岩石が割れるためです。


地下深くの岩石が一気に割れて、大きなエネルギーを放出させるのです。



この時に震源では「切断面」と呼ばれる大きな切れ目ができます。


この面を「地震断層」と言います。



また、この割れは地上にまで達することがあります。


すると当然、同じような「切断面」が地上で見られるようになります。


一直線上に割れて、その線を境にして段差が生じることもあれば、水平方向に地面がズレることもあります。


水平方向にズレた場合に、そこがもし道路であればスパッと切れて道が繋がらなくなります。


そこに建物が建っていれば、頑丈な建物であっても簡単に倒壊してしまいます。



なぜ2度も震度7の地震が起きたのか?


2016年4月14日、マグニチュード6.5の地震が発生し、熊本県で震度7の強烈な揺れを観測しました。


そして、さらにその翌々日の16日、それをはるかに上回るマグニチュード7.3という規模で再び地震が発生しました。



この2度の地震により建物の倒壊が相次いだだけでなく、熊本県南阿蘇村にある全長200メートルの阿蘇大橋が崩落し、土砂崩れによってJR豊肥線の線路が押し流されました。


ちなみにマグニチュード7.3という規模は1995年に6400人以上もの犠牲者を出した「阪神・淡路大震災」と同規模です。



震度7の地震が立て続けに2回も起きるというのは「前代未聞」で、さらに最初にM6.5の地震が発生して、次にM7.3の地震が起こるというように、後に発生した地震の規模のほうが大きいというのは、気象庁が観測を開始してから例がありませんでした。


活断層が引き起こす「直下型地震」というのは最初の一撃が最も大きな揺れをもたらし、次の地震は最初のものより小さくなるという経験的な事実があったのです。



当時の研究者のほとんどはM6.5の地震が起きたとき、これ以上の地震は来ないと思っていました。


そのため、気象庁も4月14日の地震を「本震」と発表していたのです。



そして気象庁はその後、考えた末に4月14日の地震を「前震」、4月16日の地震を「本震」と呼び変えました。


しかし、この熊本地震の一連の活動を詳しく調査してみると「どちらも本震である」という見方が正しいことがわかります。


では、次に熊本地震がどのようにして起きたのか、そのメカニズムを詳しく見ていきましょう。



立て続けに起きた震度7はどちらも「本震」?


熊本県はもともと活断層が数多くある領域で、2回目に発生したM7.3の地震では地面を斜めに横切る割れ目を地表に出現させました。


割れ目は北東から南西方向に斜めに伸びており、地面を水平方向へずらしていました。


つまり、「横ずれ断層」が現れていたのです。



そして、この領域の横ずれ断層としては布田川断層帯と日奈久断層帯という第一級の活発な活断層があります。


つまり、この横ずれ断層が出現した時点でこのいずれかの断層が活動したことはほぼ明らかになっていたのです。



その後の調査により、気象庁が前震と発表したM6.5の地震は日奈久断層帯の高野‐白旗区間による活動であり、それに伴って隣り合った布田川断層帯の布田川区間が連動するように活動したものが、M7.3の本震であることが明らかになりました。


これは「前震‐本震」という一連の地震活動ではなく、「連動型」と呼ばれる地震の発生パターンと言えます。



南海トラフ沿いの地震で例えると、仮に「東南海地震」がM7.5で発生して、その数日後に「南海地震」がM8.0で発生したとします。


最初に発生した東南海地震のほうが規模は小さいですが、この場合、東南海地震のことを余震、南海地震を本震とは表現しません。


通常、東南海地震という1つの大地震によって、南海地震というもう1つの大地震が誘発された「連動型地震」と考えます。



これと同じように熊本地震も、日奈久断層帯で起きた1つの地震によって、まったく別の断層で地震が誘発して起きた「連動型地震」ということになります。


つまり、M6.5の地震は日奈久断層帯での本震活動であり、M7.3の地震もまた布田川断層帯での本震活動であると言えるのです。