南海トラフ地震警戒情報

Twitterにて減災活動、情報発信を行っています。@T1ZEg2jynaj9lQ7


実は現在の日本は災害リスクが非常に高い!被害を拡大させる災害時に危険な脳のメカニズムとは?

youtu.be




現在、日本の災害リスクは非常に高い状態にある


2011年3月に未曾有の災害をもたらした東日本大震災は、地球科学的にみるとまだ終わっていません。


その理由は東北沖で発生した巨大地震が、日本列島の地下に想定外の変動を引き起こしているからです。


「地殻変動」という言葉は、この地震によって馴染みが強くなった人も多くいると思います。


この地殻変動という地盤の大きな歪みが、東北地方太平洋沖地震の発生直後から日本各地で地震や噴火を引き起こしてきたのです。



現在でもその大きな変動は続いており、各地で地震や噴火が相次いでいるのは事実としてあります。


このように日本の地下では、以前と比べると大きな変化があり、地震・噴火という災害のリスクは確実に高くなっています。


といっても地下の異常な状態が目に見えるわけではないため、今ひとつピンとこないのが実情です。


そのために今の日本列島の災害リスクに関して危機感を持っている人は非常に少ないです。



テレビやマスコミを通じて、近い将来に「首都直下地震」や「南海トラフ巨大地震」が起こるとよく報道され、危機感を煽り国民の防災意識を高める努力は行われているものの、心理的に人間は多くの人が「自分は大丈夫だ」と根拠もなく思い込んでしまう傾向があります。


この人間の心理が防災に関して大きな弊害となっています。



このような人間の心理を「正常性バイアス」といいます。


この正常性バイアスは災害時、非常に危険な脳のメカニズムだと言われており、その対応策としては「正常性バイアスの危険性を理解する」ということです。



危険な心理「正常性バイアス」とは?


まず「正常性バイアス」について、Wikipediaには以下のように記載されています。



正常性バイアスとは、認知バイアスの一種。
社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。


自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。


(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)



つまり、この正常性バイアスというものの危険性を理解し、適切な行動を心掛けることで「逃げ遅れの原因」をなくすことができます。


実際に東日本大震災では、この「逃げ遅れの心理」によって犠牲になられた方が多くいると考えられています。


助かった方へのインタビューでも「あんなに大きな津波が来るとは思わなかった」、「まさかここまで津波が来るなんて思ってもいなかった」などという声がかなり多くありました。


これがまさに「正常性バイアス」です。



なぜこのような心理が働くのか?


これは例えば何かが起こるたびに、それに対して過剰に反応したり不安になったりしていると人間は精神的に疲れてしまいます。


このようなストレスを回避するために元々人間の脳に備わっている防御作用だと言われています。


しかし、この心理が一刻を争う重要な場面でも作用してしまうことで、危険な状況にあるという認識が妨げられてしまうのです。



正常性バイアスにより被害が拡大した例


先ほどあげた東日本大震災の他にも、あらゆる自然災害でこの「正常性バイアス」という心理が働き、それによって被害が拡大しています。



1995年に6400人以上の犠牲者を出した「阪神・淡路大震災」では、我々からすれば衝撃的な発言が被災した方から飛び交っていました。


「関西には大地震が来ないと思っていたのに。」


なぜこの発言が衝撃的だったのかというと、実は近畿地方ではその30年ほど前から大地震が起こるリスクが指摘されており、特に神戸は活断層に囲まれており、いつ直下型地震が起きてもおかしくない場所として地質学者は繰り返し説いていたのです。



しかし、このような情報は国民にはまったくといって良いほど伝わっていませんでした。


むしろ「関西は地震がこない」とまで思われていたのです。



また、火山の噴火という危険な状況にも関わらず「大丈夫だろう」という正常性バイアスが働き、立ち昇る噴煙を撮影していて逃げ遅れる人も少なくありません。


台風や豪雨などの際にも、危険が近づいていることがわかっていても「自分は大丈夫だ」というバイアスが働き逃げ遅れるということが多くあります。



災害の報道をテレビで見ている人は冷静な判断ができるのですが、実際に災害に直面した当事者にしかわからない「正常性バイアス」は予想以上に大きく脳に作用し、その人の行動を制限してしまいます。


過去の事例からも、実際に大きな災害に直面した際に迅速に行動ができる人はかなり少ないということがわかっています。



正常性バイアスの危険性を理解すること


いざ大きな災害に遭った時、多くの人は事態の状況を咄嗟に判断できずに茫然としてしまうと言われています。


「恐怖で動けなかった」、「突然の出来事に凍りついてしまった」、「夢か現実かわからなかった」という話をよく聞きますが、これが典型的な例です。



では、自分が同じような状況になったときにどうすればいいのか?



それは「正常性バイアスの危険性を理解し、落ち着いて行動する」ということです。



まず目の前で起きている事実、または起こるであろう災害を受け入れ、次にその事実を過小評価していないか?というのを自分に問いかけてみてください。


災害は起こり得る最悪の想定をもとに避難行動を行わなければなりません。


例えば津波や豪雨などが発生したときに、「浸水するのか?しないのか?」ではなく「浸水する」ことを前提に避難行動をしてください。


噴火の場合も「噴石が飛んでくるのか?こないのか?」ではなく「飛んでくる」ことを前提に迅速に避難を開始しなければいけません。



災害という非常事態の際に「正常性バイアス」に捉われてしまわないように、しっかりと危険性を理解し、判断力を養っておくようにしましょう。