南海トラフ地震警戒情報

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次に起こる富士山噴火の規模をマグマの噴出率から予測!

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火山ガスから噴火を予知


マグマに含まれる火山ガスの変化から、噴火の予兆を知ることができます。


火山ガスの95%以上は水蒸気です。


その他の成分には、二酸化炭素二酸化硫黄硫化水素塩化水素などがあります。


こうしたガスを現地で採取し測定することにより、火山活動の推移を知ることができます。



マグマの中には重量の数パーセントほどのガス成分が溶け込んでいます。


それらは揮発性成分(きはつせいせいぶん)と呼ばれ、その中で最大の割合を占めるのが水です。



火山体の深部では圧力が高いため、揮発性成分は液体のマグマ中に溶け込んでいます。


しかし、マグマが上昇を始めると圧力が下がるため、揮発性成分は気体となってマグマより先に地上へ出てくるのです。

これが「火山ガス」と言われるものの正体です。



噴火の前には火山ガスの放出量が増加し、急に噴気が増えてきたのが肉眼でも観察されることがあります。


噴気に含まれる火山ガスの成分を詳しく調べてみると、成分の比率も変わることがあります



たとえば、噴火が近づくと二酸化硫黄の割合が増えて、噴気の色が白色から青みがかった有色に変化する場合があります。


このように火山ガス全体の放出量と、個々のガスの相対的な比率に関する観測データも、リアルタイムの噴火予知に使われているのです。



また、火山ガスが放出されるのは山頂や山腹にある火口からだけとは限りません。


火山体の全体からも、わずかながら火山ガスがゆっくりと滲み出て拡散していることがあるのです。



さらに詳しい観測の結果、滲み出る量は火口から直接放出される量と同じか、


もしくはそれ以上の場合もあることがわかってきました。



ただし、火山体全体から放出される火山ガスの量はいつでも火口からの放出量と同程度というわけではありません。


火山の活動時期によって、拡散的な放出がまったくない期間から、火口からの放出量と比べて何桁も多い期間もあります。



そのため、地震や地殻変動などの活動がまったくみられない時期であっても火山活動の変化が確認できる場合があるので、観測データを常に蓄積しておかなければならないのです。



マグマの噴出率


例えば、富士山の次の噴火の時期と場所を予測するとともに、


どのような形態でどのくらいの規模でいつまで続くのかというのを予測するには、


過去に地下から富士山に供給されたマグマの量を調べるのが有効な方法となります。



これまでに富士山から噴出したマグマの量を1000年ごとに合計して比較してみると、非常に興味深いことがわかります。


時代ごとに、マグマをたくさん噴出したのか、少しだけしか噴出しなかったのかという全体の傾向を読み取ることができるからです。



富士山は約3200年前を境にして、それ以前はたくさんマグマを噴出しており、それ以後はあまり噴出していなかったのです。


このような時間あたりのマグマの出ぐあいのことを「噴出率」といいます。



ちなみに、46億年という途方もない時間を扱う地球科学では、


ある現象が起こる時間的な割合について議論するとき、1000年あたりの値で比べることが多いです。



地球の動きは緩慢(かんまん)なので、1年あたりの値では小数点以下にゼロがたくさんつく数字を扱うことになるため、大変不便なのです。


たとえば活断層が活動的かどうかを表すときも、1000年あたりに地面を動かした量が用いられます。



富士山の噴出率を数字で表すと、3200年以前の噴出率は1000年あたり約2立方キロメートルでしたが、


3200年以後は1000年あたり約1立方キロメートルとなっています。



富士山の1000年あたり1立方キロメートルという噴出率は、実はかなり大きな数字なのです。


わかりやすく東京ドームで表すと、なんと800杯分に相当します。


たとえば、雲仙普賢岳(うんぜんふげんだけ)の1000年あたりの噴出率は0.05立方キロメートルで、富士山の20分の1に過ぎません。


さらに、古墳時代に噴火して巨大な溶岩ドームをつくった大分県の九重山(くじゅうさん)でさえ、10分の1の0.1立方キロメートル程度です。


いかに富士山がマグマの噴出率の高い火山であるかがわかります。



この富士山の噴出率のデータから、今後の噴火について予測を立てることができます。


富士山は1707年の宝永噴火以来、およそ300年間もマグマを噴出していません。


この間も地下ではずっと1000年あたり約1立方キロメートルのペースでマグマが生産されていると考えると、


300年間では約0.3立方キロメートルのマグマが蓄積していることになります。



0.3立方キロメートルとは、雲仙普賢岳が1991年から4年半かけて出したマグマの3倍ほどの量になります。


これだけのマグマが一気に噴出すると、宝永噴火のような大噴火になります。


また、少しずつ噴出すれば小規模な噴火が何十回にも分かれて長期間続くことになります。



過去の富士山噴火で1回に出たマグマの量を調べてみると、0.3立方キロメートル以上のマグマを出した例は、


貞観噴火(1.4㎦)宝永噴火(0.7㎦)も含めて最近3000年間に7回ほど起こっています。



地学現象の大きな特徴として、規模の大きな現象ほど頻度が低く、規模が小さくなるほど頻度が高くなるというものがあります。


これは火山の噴火や地震の発生にも当てはまる共通の性質です。



富士山でも、過去3000年間に7回大きな噴火が起こっていますが、


もう一桁小さな中規模噴火は20回、さらに一桁小さな小規模噴火は100回以上起きています。



次に起こる噴火は0.3立方キロメートル以上、つまり東京ドーム約240杯分を超えるマグマが噴出する大噴火となる可能性が高いのです。