南海トラフ地震警戒情報

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富士山が噴火したら「溶岩流」にも注意!

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富士山から出る溶岩流のシミュレーション


実際に溶岩流に対する防災で、


「どこから流れるのか?」
「どの範囲まで流れるか?」
「どのくらい時間がかかるのか?」
「厚さはどれくらいなのか?」


というのをコンピューター上で数値シミュレーションが行われています。



すでに桜島や伊豆大島などでは、このような溶岩流の数値シミュレーションが行われていましたが、


富士山の数値シミュレーションでは、溶岩流が流れ下る過程でだんだん冷えていき、最後に固まってしまう状態が想定されました。



また、溶岩流の規模を溶岩の噴出総量によって「大規模」、「中規模」、「小規模」の3つに分けました。



大規模噴火の噴出総量は7億立方メートル、中規模は2億立方メートル、小規模は2000万立方メートルとなっています。



溶岩の流れを予測するためには、これらの噴出総量とともに、「噴出流量」が重要になります。


つまり、ある時間にどれくらいの溶岩が流れるかの割合です。



噴出流量は、それぞれの噴火でかなりばらつきがあります。


最終的にどれだけ流れたかを表す噴出総量の大きい方が噴出流量も大きくなると思われがちですが、実際はそうではありません。


むしろ、噴出流量の小さな噴火ほど長期化して、結果として大量の溶岩を流出するのです。



どういうことかと言うと、噴出総量の大きい噴火は長期間流出しますが、


逆に噴出流量が大きい噴火は短時間で終息し、少量の溶岩流を形成して終わることが多いのです。



富士山の数値シミュレーションで用いた噴出流量は、大規模噴火の場合は貞観噴火のときに出た青木ヶ原溶岩の例を基準にし、


中規模噴火と小規模噴火は、剣丸尾第一溶岩(けんまるびだいいちようがん)や印野丸尾溶岩(いんのまるびようがん)などの5つの事例をもとに推定しています。



www.nankai-trough.xyz


溶岩流の可能性マップ


こうして算出した図を「溶岩流の可能性マップ」と言います。


この図には時間と範囲の2つの情報が盛り込まれていて、噴火が始まってから何時間後に溶岩がどこまで流下するかがわかるようになっています。



まず、大規模、中規模、小規模と噴火の規模ごとにマップを作り、それらを合成します。


そして、それぞれの到達時間ごとに滑らかな線で結び、溶岩流が最も早く到達する時間を示したのが溶岩流の可能性マップなのです。



なぜ規模ごとのマップを合成するのでしょうか?



溶岩流の到達範囲は、溶岩の規模と火口位置で大きく異なります。


たとえば最も遠くまで到達する範囲は、大規模溶岩流によって決まるし、24時間程度で到達する範囲は、火口が下の方にある小規模溶岩流によって決まります。



しかし火山噴火では、まだ発生していない現象について、その規模を噴火発生前に決めることは困難です。


噴火規模が特定できる前に、住民に避難を指示しなければならないというのが現実なのです。



このことから、噴火規模によって何枚もの可能性マップを作るのは適当でないと判断して、それぞれを合わせたものを図示することにしたのです。



溶岩流ハザードマップの見方


一般的には溶岩流は、流れる速さがそれほど速くないため、溶岩の流出が確認されてから避難を始めても余裕がある場合が多いです。



しかし、溶岩流の可能性マップを見ると、山麓(さんろく)にある火口の近くなどでは、溶岩が短時間で到達する可能性があることがわかります。



また、裾野の富士吉田市や御殿場市の一部には、24時間以内に溶岩が流れてくる可能性があります。


これらの場所では、速やかな避難が必要となります。



また、緊急に避難が必要でない地域においても、噴火が長く続いて大量の溶岩が流出した場合には、避難範囲を拡大する必要が生じます。


とくに大規模噴火では、噴出総量も噴出流量もともに増えるので注意しなければいけません。


この場合の避難範囲は「最大到達範囲」というのが目安になります。



ちなみに溶岩の危険性として、ただ高温の液体というだけではありません。


まず、大量の溶岩が湖や海に流下した場合、マグマの熱で水が一気に蒸発し、体積が1000倍以上にも増えるため、水蒸気爆発を起こします


さらにその爆発が激しいと、岩石を周囲に飛び散らせる恐れがあります。



また、溶岩は高温のため流域のすべてのものを埋積して火災を引き起こします。


しかも、溶岩はなかなか冷えないので、溶岩に覆われた範囲の迅速な復旧は困難です。


例えば、常温まで冷却するには1年もかかる場合もあるといいます。