南海トラフ地震警戒情報

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陸地での津波の速度は約40キロ程度、なぜ車で逃げてはいけないのか!?

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引き波から始まる津波と上昇から始まる津波


海面が静かに膨張して、水が地面を這いながらジワジワと駆け上がってくるようだ。


海岸から海が消えたかと思うと、見る見る水かさが増えて気づけば辺り一面が海になっていた。


波が吸い込まれるように遠ざかっていったかと思うと、すぐに壁のような波が押し寄せてきた。




実際にスマトラ島沖地震の津波を経験した人の声です。



津波は地震を起こしたプレートの跳ね上がりの両側で引き波から始まる津波と、海面の上昇から始まる津波に分かれます。


インド洋に震源を持つスマトラ島沖地震では、東にあるタイ側は引き波から始まり、西のインド側は海面の上昇から始まりました。



海洋汚染、悪臭までも引き起こす


1メートルの津波でも木造住宅は半壊し、2メートル以上になると全壊すると言われています。


また、鉄筋コンクリートの建築物であれば、波高5メートルまでの津波には耐えられることは検証されていました。


しかし、スマトラ島沖地震で巨大な津波が発生した当時、それ以上のデータはありませんでした。


タイ南部のプーケット島では波高6.3メートルの津波が襲った地域で、鉄筋コンクリートの家屋の壁が破壊され、柱だけの状態でした。



1854年、ほぼ同時に起きた安政東海・南海地震では、下田に7メートル、伊勢に10メートル、熊野に10メートル、土佐に10メートルという津波がきました。


このときの記録には、橋が破壊され、漁船が陸に持ち上げられたことが記されています。



東南海・南海地震が同時に起きた時には、室戸や串本では最短10分もしないうちに10メートル以上の津波が襲ってくると予想されています。


地震の揺れや液状化現象で水門の開閉装置やレールが壊れたり歪が生じると、水門は十分に閉じることができず、津波による海水は街中に流れ込みます。



また、外洋に出ることができなかった大型タンカー、コンテナ船、貨物船が流されて防波堤や水門に衝突し、破壊する恐れもあります。


さらに船が破壊された場合は燃料の受油が流れ出し、海洋汚染を引き起こします。


その後、津波によって陸地に運ばれた重油は、破壊された住宅や木々、道路などの貼りつき、悪臭を放ちます。



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絶対に車で逃げてはいけない理由!


津波の速さは海の深さによって異なります。


水深4000メートルでは時速712キロ、それが水深200メートルの地点までくると時速160キロに減速されます。


しかし、それでもまだ市内を走る列車や高速道路を走る自動車よりも遥かに速いスピードです。



その津波が陸にあがり、街中を走るときには約40キロ程度の速さにまで減速しています。


とはいえ、人が走って逃げるのはまず不可能なスピードです。


また、時速40キロであれば車で逃げられそうな速度ですが、実際にはそう簡単に逃げ切れるものではありません。



車はアクセルを踏み込めば100キロ以上のスピードを軽く出すことができますが、


地震後の街中には避難する多くの人々や車、瓦礫などで道がふさがっていて思うように進むことができません。


また、唯一進むことのできる道路はすぐに大渋滞となります。


すぐに津波に追い付かれてしまうでしょう。



もし仮に瓦礫も人もなく、車がスムーズに進める状況であったとしても、


障害物など関係なしに一定の速度でどんどん押し寄せてくる津波から逃げ切るのは、道路がずっと直線で続いていない限り不可能に近いでしょう。



なぜ車で逃げてはいけないのか。


津波では、車を捨ててとにかく高いところに上がった人が助かっているのです。



地形によって津波が高くなる


津波は海水の巨大な塊が一気に陸に向かって押し寄せるものです。


津波の速さが増すところや、高さが高くなるところはその水の塊が集中しやすいところです。



湾の奥、特にV字型湾の奥では押し寄せた海水が集中して、津波は速く、高いところまで駆け上がることは容易に想像できます。


また水深によって津波の速度が変わるので、陸地の形だけでなく海底の深さや地形で津波が集中する箇所もでてくるのです。