南海トラフ地震警戒情報

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【都道府県別】首都直下地震の被害想定と関東大震災の被害想定。


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1997年、東京直下地震の被害想定


政府の地震調査委員会が発表した、マグニチュード7クラスの南関東地震が発生する確率は「30年以内に70%」です。


これを高いと考えるか、低いと考えるか。色々な捉え方があると思います。



東京都防災会議は1997年、「東京における直下地震の被害想定に関する調査報告書」を発表しました。


この報告書の被害想定では、以下の条件をもとに4つの箇所について各シミュレーションを行っています。



想定震源は、区部直下多摩直下神奈川県境直下埼玉県境直下の4ヶ所。


地震の規模はマグニチュード7.2


震源の深さは、地下20~30キロメートル


岩盤の破壊面積は、40×20キロメートル程度


発生時刻と気象状況は、冬の平日午後6時、晴れ、風速6メートル




東京都にもっとも大きな被害を与える区部直下地震の場合、73%の地域が震度6弱から6強の揺れに襲われます。


死者の想定は以下の通りです。



火災       4732人
建物の崩壊    1753人
列車の脱線     13人
ブロック塀倒壊など 189人
崖崩れなど     30人


合計 6717人




負傷者は以下の通りです。



揺れによるもの 11万1900人
火災によるもの  2万3907人
列車の脱線      797人
崖崩れなど      221人


合計 13万6825人




時間帯によって大きく異なる被害想定


たとえば阪神淡路大震災の死者は6433人で、その原因の8割近くが崩れた建築物の建材、家具などの下敷きによる圧死でした。


火事による焼死やその可能性の高い人は約1割です。


残りが屋根瓦の落下や住居や塀の倒壊、自動販売機の転倒などです。



また、負傷者は重傷が約1万人、軽傷者は約3万3000人、合計4万人を超えています。



このような割合になったのは、地震が起こった時間帯に大きな原因があるのです。


兵庫県南部地震は、午前5時46分という、まだ多くの人が眠っている時間帯に発生しました。



通りに人通りはなく、車もほとんど走っていませんでした。


もしこれが昼間の時間帯に起こっていればどうだったでしょう。



高速道路、鉄道、地下街など、人の密集地における死傷者の数は膨大なものとなっていたのではないでしょうか。


当然、家屋の倒壊による死傷者の数は大きく上回り、状況はまったく異なったものになっていたに違いありません。



東京都の甘すぎる被害想定


1923年9月1日の午前11時58分、東京、神奈川を中心とする関東地方をマグニチュード7.9、震度6の地震が襲いました。


震源は相模湾の北部で、死者・行方不明者10万5385人全壊家屋10万9713棟焼失家屋21万2353棟の被害を出しました。


人的被害だけでも東日本大震災の5倍を超える、日本史上最悪の被害を出した「関東大震災」です。



この時、本所被服廠跡に避難した約4万人のうち、約3万4000人もが焼死しています。



常識的に考えて、今の東京で兵庫県南部地震程度の地震が起これば、被害はこんなもので済むはずはありません。


まして平日の午後6時で、列車の脱線による死者は13人というのは、どういう評価から出したのでしょうか。


直下地震の場合、緊急停止する暇すら与えてもらえないのです。




(東京都区部)
人口   約800万人
人口密度 1平方キロ1万3000人
世帯数  約365万8000世帯
自動車数 約281万5000台


1日のJR利用客は約721万2000人



(阪神淡路大震災で被害が集中した神戸市、芦屋市、西宮市にかけての阪神地域)
人口   約140万人
人口密度 1平方キロ約5400人
世帯数  約52万8000世帯
自動車数 約52万5000台


1日のJR利用客は約43万人




人口では約5.7倍、JR利用客は約17倍にものぼります。


しかも、JR利用客はこれらの阪神地域で43万人であるのに対して、東京では新宿駅だけでも1日に75万人を超える利用客がいるのです。



阪神淡路大震災が、比較的被害の少なくなると考えられる早朝5時台に起きたことを考えれば、帰宅途中のサラリーマンで溢れる東京の午後6時に同程度の地震が起これば、被害は都が試算したものではとうてい収まらないのです。



現在の首都直下地震の被害想定


首都直下地震の被害対策を検討してきた国の有識者会議は2013年12月、30年以内に70%の確率で起きるとされるマグニチュード7級の地震で、最悪の場合、死者が2万3000人、経済被害が約95兆に上るとの想定を発表しました。


また、首都直下地震と比較すると発生する可能性は低いですが、長期的な対策の対象として、関東大震災を引き起こしたM8級の地震も想定しました。


しかし、日本海溝から相模湾付近に延びる相模トラフで発生する最大級の地震M8.7の地震と津波を検討したが、発生頻度が2000年以上で発生する可能性は低いとして被害想定を出しませんでした。



そこで起こりうる最大級の地震をもとに対策を講じるのが「想定」です。


東日本大震災を教訓に、南海トラフでは想定が大きく見直されましたが相模トラフで起こる巨大地震ではまた「想定外」という言葉が飛び交うことになるかもしれないのです。



(M7.3)都心南部直下地震の被害想定


経済被害


(資産の被害)
民間     42.4兆円
ライフライン 0.2兆円
公共     4.7兆円


経済活動への影響 47.9兆円


合計 約95兆3000億円



全壊・焼失棟数
(最悪ケース/冬・夕方・風速8m)


茨城県
揺れ     約60棟
液状化    約1200棟
急傾斜地崩壊 -
火災     約30棟


合計 約1300棟



栃木県
揺れ     -
液状化    約80棟
急傾斜地崩壊 -
火災     約10棟


合計 約90棟



群馬県
揺れ     -
液状化    約80棟
急傾斜地崩壊 -
火災     約10棟


合計 約90棟



埼玉県
揺れ     約2万1000棟
液状化    約4900棟
急傾斜地崩壊 約20棟
火災     約7万1000棟


合計 約9万7000棟



千葉県
揺れ     約1万1000棟
液状化    約5600棟
急傾斜地崩壊 約80棟
火災     約2万5000棟


合計 約4万2000棟



東京都
揺れ     約10万5000棟
液状化    約7000棟
急傾斜地崩壊 約300棟
火災     約22万1000棟


合計 約33万3000棟



神奈川県
揺れ     約3万7000棟
液状化    約2800棟
急傾斜地崩壊 約700棟
火災     約9万5000棟


合計 約13万6000棟




合計
揺れ     約17万5000棟
液状化    約2万2000棟
急傾斜地崩壊 約1100棟
火災     約41万2000棟


合計 約61万棟



想定死者数
(最悪ケース/冬・夕方・風速8m)


埼玉県
建物倒壊   約700人
(屋内落下物などが約90人)
急傾斜地崩壊 -
火災     約3000人
屋外落下物等 約20人


合計 約3800人



千葉県
建物倒壊   約400人
(屋内落下物などが約50人)
急傾斜地崩壊 -
火災     約1000人
屋外落下物等 約20人


合計 約1400人



東京都
建物倒壊   約4000人
(屋内落下物などが約400人)
急傾斜地崩壊 約20人
火災     約8400人
屋外落下物等 約300人


合計 約1万3000人



神奈川県
建物倒壊   約1300人
(屋内落下物などが約100人)
急傾斜地崩壊 約40人
火災     約4000人
屋外落下物等 約100人


合計 約5400人




合計
建物倒壊   約6400人
(屋内落下物などが約600人)
急傾斜地崩壊 約60人
火災     約1万6000人
屋外落下物等 約500人


合計 約2万3000人




(M8.2)関東大震災タイプの地震の被害想定


経済被害
(資産の被害)
民間
ライフライン 80兆円
公共     10兆円


経済活動への影響 70兆円


合計 160兆円



建物等の被害
揺れ     約48万棟
液状化    約3万棟
津波     約3000棟
急傾斜地崩落 約2000棟
火災     約82万棟


合計 約133万棟



想定死者数
建物倒壊 約3万人
津波   約1万人
火災   約3万7000人


合計 約7万7000人



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