南海トラフ地震警戒情報

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地震や津波でも火災保険や生命保険金は支払われるのか!?被災者は生活保護を受給できるのか!?


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災害時にも大きく活用される生活保護制度


生活保護は、貧困が社会問題となっているなか、社会的な役割が高まっている制度です。


被災者は、災害で大きな被害を受け、住居も、仕事も、財産も、何もかも失うことが少なくありません。


そのため、被災地には必然的に「健康で文化的な最低限度の生活」を下回る世帯が数多く存在することになります。


したがって、生活保護制度は災害時にも活用が期待される制度といえます。



生活保護の受給は、資産と収入が生活保護基準を下回るかどうかによって決まります。


なお、義援金や、被災者生活支援金など、災害によって給付される金銭はここでの資産や収入には当たりません。



東日本大震災で見られた違法な運用


東日本大震災の被災地では、厚生労働省の通知に反する独自運用で、義援金などが支給されたことを理由に生活保護を打ち切る例が相次ぎました。
福島県南相馬市では、義援金や東京電力の仮払補償金を受けた232世帯が生活保護を打ち切られました。


これらのうち3件には弁護団が結成され福島県に不服審査請求がなされ、南相馬市の打ち切り処分が取り消されました。


また、義援金などを使い切るまでは生活保護を行わないという運用もなされていましたが、これは明らかに違法な運用なのです。



見習うべき独自の制度「災害保護」


2000年に発生した三宅島噴火災害では、全島避難となり、島民が長期にわたって避難を強いられました。


すべての被災者達が住まいと職を同時に失ったのです。



そこで、東京都と三宅村は、独自の支援策を講じました。


生活保護の仕組みを準用して「災害保護」と称し、当面の生活扶助を行なうこととしたのです。



当時は災害救助法や生活再建支援法による現金支給が期待できませんでした。


そのため、東京都の支援策は、被災者にとって非常に役立つ施策であり、今後の災害でも見習うべきだと思います。



一方、東北では生活保護制度の活用が制限的です。


その背景には、生活保護の自治体負担が重いため、地方自治体の財政状況に左右されているという実態があります。


これでは、経済的に脆弱な地域ほど市民の生活が保護されなくなるという悪循環が生じてしまいます。


この問題を解決するためには、生活保護財源を全額国庫で負担するなどの工夫が必要になるのです。



保険は地震や津波は対象外


火災保険や車両保険などでは、ほとんどの場合、地震や津波によって生じた損害については保険金などは支払われません。


それは、莫大な支払いにより破綻してしまうというのが大きな理由です。



阪神・淡路大震災では、地震の後の火災により、各地で家屋の全半焼被害が発生しました。


しかし、そのどれも、火災保険金は支払われませんでした。

唯一、頼れる存在なのは「共済」です。


共済は、特定のグループ内において、お互いの福利厚生・相互扶助の目的で掛金を支払う仕組みです。


多くは保険と同じ「地震免責約款」がありますが、保険のそれよりも定めが緩いのです。



JA建物更生共済などは、地震被害も原則として対象としていて、新潟県中越地震など農村部の地震災害では、頼りになる存在として脚光を浴びました。



訴訟により火災保険が支払われた例


阪神・淡路大震災後に火災保険金が支払われないことに不満を抱いた数多くの人達が訴訟を起こしました。


そのうち最も規模が大きかったのは、神戸市東灘区魚崎北町5丁目・6丁目の集団訴訟でした。


住民73人が総額11億3000万円の支払いを求めたのです。
この裁判の争点は主に次の3つでした。



・地震免責約款の有効性
・免責約款の説明義務
・火災の発生原因



地震免責約款の有効性については、裁判では「有効」とされました。


免責約款の説明義務については、高裁で判断が分かれ、一部、被災者の立場に立って説明義務違反を理由に慰謝料の支払いを命じる判決もありましたが、最高裁で逆転され、説明義務違反は否定されました。


そして最後は火災発生原因についてです。


多くの地震免責約款では、以下の3つのケースについて保険金の支払義務を免れると書かれています。



①地震によって生じた火災の場合
②地震による火災が延焼した場合
③発生原因を問わず火災が地震によるもの



しかし、裁判所は2つの論理を打ち立て、一部の訴訟では、被災者を救済しました。



1つ目は、火災の原因が地震であることを証明する責任を保険会社に負わせたことです。


発生原因が不明な場合や、他の発生原因が考えられる場合は保険金の支払を行うよう命じました。



2つ目は、約款の内容をよく吟味して、地震免責約款を限定的に解釈したことです。


神戸市民生協の共済の約款は、③の項目が記載されていなかったため、一部で共済金の支払いを命じたのです。



地震に特化した「地震保険」


日本で数多く起きる地震災害で、毎回のように「地震免責約款の不条理」が社会問題となってきました。


1964年の新潟地震でも、地震直後からそれは社会問題となり、地震にも補償される保険を求める声が高まりました。


当時、地元選出の大蔵大臣であった田中角栄氏は、地震保険の創設に乗り出し、1966年に「地震保険に関する法律」が制定されました。



地震保険は保険金の上限額に制限があります。


火災保険の保険金額の30~50%の範囲内で、建物は5000万円、家財は1000万円までとなっています。


また、1つの地震で支払われる保険金総額の上限も決められており、6兆2000億円を超えると割合的な減額が行われます。


さらに地震保険では、大規模被害により、保険会社が保険金を賄いきれない場合に備えて、政府が再保険を行うこととされています。



地震保険は、社会の求めに応じて創設された有効な制度であるにもかかわらず、阪神・淡路大震災時の兵庫県下の加入率は5%未満でした。


その後は、普及の努力が重ねられ、2009年度には、全国平均の世帯加入率は23%となりました。


一番多かったのは愛知県で34.5%でした。



また、東日本大震災では支払総額1兆円を超えましたが、制度範囲内で収まりました。



生命保険は災害時こそ社会的役割を果たすべきである


生命保険にも「地震免責約款」は存在しますが、必ずしも適用するとは限りません。


阪神・淡路大震災の時も、生命保険協会に加入する全社が生命保険金を支払いました。



東日本大震災でも、被害状況がいまだ明らかになっていない段階で、免責約款を無視して、生命保険金を支払うことを宣言しました。



生命保険協会は、「災害時にこそ社会的役割を果たすべきである」と述べています。


なお、さらに昔に起きた関東大震災のときにも、生命保険は全額支払われました。



郵便局の簡易保険も、生命保険と同様に支払いをするのが通例で、手続きを簡略化して迅速に支払っています。


災害により損害を受けたら、まず、保険会社や共済組合などに直接確認することが重要です。


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