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義援金はすべての人が必ず貰えるわけではないし、請求することもできない!?

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なぜ日本赤十字社に集中して義援金が集まるのか?


義援金は法律に基づくものではなく、人々の善意を形にした寄付金です。


東日本大震災では1年が経過した時点で、日本赤十字社と共同中央募金会には、過去最大の約3000億円の義援金が集まりました。


いまでは、災害において義援金は被災地の復興、被災者の生活再建に欠かすことのできない役割を担っています。



義援金は法律による規定がないため、誰が募っても、どこに寄付しても自由です。


特定の被災自治体、NPO団体、学校、施設、友好団体、個人など送金先は色々あります。


しかし、そのなかで多くの人が「日本赤十字社」に寄付をします。



なぜ日本赤十字社に多くの義援金が集まるのでしょうか?


日本赤十字社は、「日本赤十字社法」に基づく認可法人であり、その業務の1つに「災厄を受けた者に救護」があります。


そして、災害対策基本法では、日本赤十字社をNHKやガス・電気会社と同じように「指定公共機関」と指定し、「防災業務計画」の作成を義務づけています。


その、日本赤十字社防災業務計画に「義援金の受付及び配分」が明記されているのです。


直接の法的根拠ではありませんが、ルール化されているため、災害後ただちに募金の受付を開始できるのです。



義援金の配分方法


義援金の最大の問題はその配分方法です。


配分方法についても当然法律上のルールはありません。


一般的には「社会福祉法」に基づく共同募金で配分委員会が置かれているのにならって、地方自治体が設置する「義援金配分委員会」で配分方法を決めています。



ここには、日本赤十字社が「防災業務計画」に基づき参加しています。


業務計画は「義援金の迅速・公正かつ透明性のある配分」と定め、ここに挙げられた「迅速性」「公平性」「透明性」が配分3原則とされています。


ちなみにこれは、阪神・淡路大震災で被災者への配分が遅れた事、配分方法や内容に疑義が呈されたことなどの教訓から確立された原則です。



大規模災害では数次にわたって配分が行われますが、特に災害直後は混乱しているため、第一次配分では、何よりも「迅速性」を優先するべきなのです。


義援金の配分が遅れるのは「公平性」を理由にいろいろな条件をつけるためです。


東日本大震災でも義援金の配分は大変遅くなりました。



自治体などの意識調査で最も重視されているのが「公平性」でした。


不公平との批判を浴びるのを避けたいという配分責任者の意識から、誰の為の義援金かが忘れられているのです。



しかも、東日本大震災の第1次配分では、住宅の被害認定に応じて配分額を決める方針を立てました。


これでは確実に「迅速性」が失われるということは目に見えてわかります。


また、生活再建支援法と同じ要件のため、法の救済の谷間にいる被災者は救われず、民間の善意の柔軟性が失われるのです。



義援金は何に使われるのか?


義援金は、すべての被災者個人に配分されるとは限りません。


雲仙普賢岳噴火災害や奥尻島津波災害では、義援金の余剰金を原資にして復興基金を創設し、復興に有効活用しました。


個人に対する配分以上に、地域再生に大いに寄与することになったのです。



地方自治体に対して直接寄付された義援金は、各自治体がプールして、独自の事業に使うことが多いです。


例えば、遺児奨学金を設立したり、コミュニティ支援事業に充てたりします。


東日本大震災でも、岩手県宮古市では、日本赤十字社の義援金が配分されない人々、すなわち非住居店舗の事業主、応急仮設住宅に入らず避難している世帯などに対して独自の義援金を配分しました。



義援金はあくまで「贈与」である


義援金の法的性質は贈与です。


そのため、被災者に請求権があるわけではありません。



また、世帯に配分されるのが普通で、世帯主に贈与されると考えるのが一般的です。


災害後に別居した夫婦や、多世代同居世帯だと、誰が受け取るのかをめぐって紛争となる場合も考えられます。


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