南海トラフ地震警戒情報

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全壊か半壊かの被害認定は専門家によって行われず、市町村の職員が行う!?災害の度に苦情が殺到する「罹災証明書」


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2400万人の署名で被災者個人への支援が実現


阪神・淡路大震災では約25万棟の建物が全半壊しました。


しかし、配分された義援金は1人当たり50万円程度で、遺族でなければ弔慰金もありませんので、住宅再建する自己資金を持ち合わせていた被災者は多くありませんでした。



公的補償を求める運動は、大小の公私の団体や個人にも拡がり、生協などが中心になって集めた署名は全国で2400万筆にも及びました。


兵庫県のほかの全国知事会も政府に公的支援を要求し、超党派の議連が中心となって政府に働きかけ、野党各党からも被災者支援法案が次々に提出されました。



そして、生活再建支援法は1998年5月に成立しました。


国が戦後一貫して否定してきた被災者個人への支援が実現した大きな成果でした。



鳥取県西部地震をきっかけに改正された「生活再建支援法」


当初の生活再建支援法は、100万円を上限とする補助金で、住宅の補修などに使う費用は対象外とし、年齢要件、収入要件が課される窮屈な制度でした。


そのため、2000年10月に発生した鳥取県西部地震後、当時の知事であった片山義博氏は独自に被災者向けに住宅復興補助金を支給する制度をつくりました。


私有財産である住宅再建には公的なお金は使ってはいけない。という古い考えを一変させたのです。



また、2003年の宮城県北部地震では、宮城県は住宅建設に100万円、補修には50万円を補助する制度をつくりました。



全国各地の自治体で、住宅再建に対する独自の支援制度が次々に設けられ、2003年の全国知事会では「自然災害被災者支援制度の創設に関する緊急決議」が採択されました。


この改正で、支援金は最大300万円に増額され、住宅の解体撤去費や、ローンの利子支払いなど、間接的な住宅関連費用の支出が可能となりました。


しかし、その約半年後に発生した新潟県中越地震で、生活再建支援法が役に立たないという批判が相次ぎました。


酷評されたのは、「住宅再建に使えない」という点でした。



大きく改正され頼れる制度へと変わった


2007年3月から制度見直し検討会の審議が行われていました。


その最中に、能登半島地震と新潟県中越沖地震という二つの大きな災害が発生しました。



これらの災害でも「生活再建支援法」の欠点が同じように露呈し、支援法に対する改善の声が一層高まりました。


そして、2007年11月に生活再建支援法の仕組みを大きく変える2度目の改正が行われました。



支援金には「基礎支援金」と「加算支援金」の2種類があります。



基礎支援金は、住宅の壊れ具合によって額が決まります。


全壊は100万円、大規模半壊は50万円で、噴火や津波で長期にわたって避難を余儀なくされた場合も100万円が支給されます。


ただし、半壊や一部損、あるいは地盤が崩壊しても原則として支給はありません。



加算支援金は、住宅の再建方法によって額が決まります。


新築や購入の場合は200万円、補修の場合は100万円、賃借する場合は50万円が支給されます。



これらの支援金は補助金ではなく、生活再建のための見舞金です。


そのため、たとえ実際に要した費用がこれを大きく下回ったとしても、支払われる金額は変わりません。


たとえば、家が全壊して建て直した場合、基礎支援金100万円と加算支援金200万円で合計300万円が支給されます。


また、大規模半壊で補修した場合は、基礎支援金50万円と加算支援金100万円の合計150万円が支給されます。



定額の渡し切りのため、査定する必要もなく、金額もはっきりしているため、被災者は頼りにしやすく、自治体職員には処理しやすい制度になっています。


ちなみに財源は、都道府県と国が折半という形になっています。



全壊か半壊かの判定によって大きく金額が変わる


基礎支援金の額は、住宅が全壊なのか半壊なのかによって大きく金額が変わってきます。


そのため、家屋の被害認定は被災者にとって非常に重大な関心事になります。



しかし、実は家屋被害調査を担当するのは市町村の職員で、必ずしも建築のプロがチェックするわけではありません。


判定に不満が寄せられると、そのたびに再調査が行われますが、それでは被災者も行政も徒労感が残るだけになります。


そこで、たとえば兵庫県では家屋被害認定士制度を設けて判定の信頼性を高める工夫を行い、神戸市などでは専門家が入った判定委員会を設けるなどの工夫がなされています。


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