南海トラフ地震警戒情報

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地震などの災害時、実は警察や自衛隊は被災者を救護しなければならないという規定はない!?

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大災害時に設置される対策本部


大災害時に展開される様々な対応の司令塔にあたるのが「対策本部」です。


まず基本となるのは、被災した地方自治体が災害対策基本法に基づき、その首長を本部長として設置する「災害対策本部」です。



災害が大規模となり、国の関与が必要な場合は「非常災害対策本部」が内閣府に置かれ、防災担当大臣などの国務大臣が本部長を務めます。


これまで、雲仙普賢岳噴火災害、阪神・淡路大震災、有珠山噴火、三宅島噴火、新潟県中越地震などで、この非常災害対策本部が設置されました。



さらに著しく異常かつ激甚な非常災害が発生したときには、内閣総理大臣を本部長とする「緊急災害対策本部」が設置されます。


災害対策基本法上、もっとも格上の対策本部となり、「東日本大震災」ではこの緊急災害対策本部が設置されました。


また、原子力事故が発生した場合も災害対策基本法で対応しますが、事故の重大性から緊急事態宣言をした際には、原子力災害対策特別措置法に基づいて、内閣府に「原子力災害対策本部」を設置することとされています。


東日本大震災の福島原発事故によって、史上初めて原子力災害対策本部が設置されました。



消防による対応は市町村の財政力に左右される


消防士及び消防団員は、自然災害から国民を守ることを使命とする第一線の専門家です。


「消防法」や「消防組織法」の目的規定には、水火災または地震などの災害を「防除」し、災害による被害を軽減し、傷病者の搬送を行うなど、国民の生命・身体・財産を保護することを任務とするとされています。



消防の組織として、新潟県中越地震の岩盤崩落現場で幼児を救い出した東京消防庁の消防救助機動部隊が有名です。


その法的根拠は「救助隊の編成、装備及び配置の基準を定める省令」にあります。


この省令によると、人口10万人以上の市町村には「特別救助隊」、中核市などには「高度救助隊」、政令指定都市などには「特別高度救助隊」が編成・配置されることとされています。


ほかにも、被災地に応援に駆けつける「緊急消防救助隊」や、「山岳救助隊」「水難救助隊」「化学機動中隊」なども消防組織の一つです。



消防は、優れた専門技能を身につけた災害時に心強い存在ではありますが、財政的には極めて不遇な立場にあります。


消防組織の核となる消防署は、市町村の一部局であるため、その基盤は属する市町村の財政力に左右されるのです。



基礎自治体は、ほぼ全てが財政難に陥っていることから、消防組織は人的にも設備的にも恒常的な不足に悩まされています。


消防予算の大半を占める人件費などの基礎的な財源は国の地方交付税などで手当てされていますが、組織の抜本的拡充を行う余力はありません。


国民の生命を第一に考えるのであれば、消防組織に対する財政出動をともなう国家的措置が必要なのです。



警察法では災害時の救護を定めた規定はない


警察も災害時には頼りになる存在です。


全国の都道府県警には、災害対策の専門部隊として「広域緊急救助隊」が設置され、自然災害が起きたときには、被災者の救出、避難誘導、緊急交通路確保などの活動が行われています。



しかし、「警察法」には災害時の救護を定めた規定は見当たらず、災害発生時の治安維持について若干の規定を置くのみです。


被災者救護活動の根拠となっているのは、警察法二条の「個人の生命、身体及び財産の保護」の責務の規定であり、平時と災害時の区別はありません。



災害に特化した活動は、警察活動の広がりの一端として評価されるべきですが、法的には主たる活動目的ではなく、その位置づけは明確にするべきではないでしょうか。



国民が一番期待しているのは自衛隊である


自衛隊は、現代の災害の現場には欠かせない存在となっています。


阪神・淡路大震災では、自衛隊の派遣を躊躇し、救助が遅れたことに批判が集中しました。


派遣要請の仕組みは「自衛隊法」に定められています。



自然災害などで人命または財産の保護の必要があると認めるときは、都道府県知事に派遣要請する権限を付与し、災害対策基本法は、市町村長に知事へ派遣要請を求める権限を与えています。



その後の災害では、迅速に派遣要請がなされ、自衛隊員も被災者の救出にとどまらず、炊き出しなどの生活支援に至るまで、様々な災害支援活動をしています。


実際、国民が自衛隊に期待している役割は災害派遣です。


政府が1995年に実施した「今後の自衛隊の役割に関する世論調査」で、「自衛隊の存在する目的は何か」という設問の回答は以下の通りでした。


災害派遣66.0%
国内の治安維持33.7%



また、東日本大震災後の2012年1月実施の内閣府の調査結果では、自衛隊に期待する役割として「災害派遣」を挙げた人が82.9%にまで達しました。


東日本大震災における自衛隊の活躍は目ざましいものがあり、97.7%もの人が「評価する」と答えました。


国民が自衛隊に対して大規模自然災害時の救助活動を期待しているのは明らかです。



しかし法律では、災害派遣は自衛隊の本来の役割ではありません。


自衛隊法に明記された主たる任務は、「国の平和と独立を守り、安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛する」ことであり、個々の国民の生命・身体・財産を守ることではありません。


災害派遣は従たる任務に過ぎないのです。


これは、別におかしなことではなく、「軍隊」という組織の一般的な属性からすれば当然であり、やむを得ないことでもあるのです。


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