南海トラフ地震警戒情報

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南海トラフ巨大地震がいつ発生するのかを具体的に計算し予測!2030年までに必ず準備を!予知、予言に惑わされるな!

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南海トラフ地震はいつ起きるのか?


南海トラフ巨大地震の規模は、過去に起きた同様の例から予想されています。


その例が約300年前に起きた宝永地震です。


これは3つの地震が同時に起きる連動型地震で、規模はM8.6だったと推定されています。



そして次に予測されている南海トラフ巨大地震はM9.1で、東日本大震災のM9.0に匹敵する巨大地震が今度は西日本で起きるのです。



こうした巨大地震の起きるおおよその時期が、過去の経験則やシミュレーションの結果から予測されています。


その結果、多くの地震学者たちは西暦2030年代に起きると予測しており、2040年までには確実に起きていると考えています。


では、なぜ2030年代に起きるという予想がされているのでしょうか?


まず地震学者たちは、南海地震が起きると地盤が規則的に上下するという現象に注目しました。


南海地震の前後で土地の上下変動の大きさを調べてみると、1回の地震で大きく隆起するほど、そこでの次の地震までの時間が長くなるという規則性があるのです。


つまり、これを利用すれば次に南海地震が起きる時期をある程度予測できるのです。


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具体的には、高知県・室戸岬の北西にある室津港のデータを解析しています。


地震前後の地盤の上下変位量を見ると、1707年の宝永地震では1.8メートル、1854年の安政南海地震では1.2メートル、そして1946年の前回の地震では1.15メートル隆起していました。


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室津港は南海地震のあとでゆっくりと地盤沈下が始まって、港は次第に深くなりつつありました。


そして、南海地震が発生すると今度は大きく隆起しました。


その結果、港が急激に浅くなり漁船が出入りできなくなるという現象が起きたのです。


このような現象が起きていたことから、江戸時代の頃から室津港で暮らす漁師たちは、港の水深を測る習慣がついていたのです。



グラフから見える重要な事実


南海地震により急激に隆起した地面は、時間とともに毎年同じ割合で少しずつ沈降していきます。


そして、はじめの高さに戻ったところでまた地震が発生すると考えられます。


これらのデータを数値化して簡単なグラフにしてみると、以下のような図が出来上がります。


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グラフにしてみると重要なことに気がつきます。


それは、この図の右下へ続く斜め線、そのすべてが平行になっているのです。


つまりこれは、巨大地震によって地盤が隆起した後、同じ速度で地面が沈降していることを意味します。



こうした同じ速度で沈降する現象が南海トラフ巨大地震に伴う性質だとすると、「1回の地震で大きく隆起するほど次の地震までの時間が長くなる、また反対に隆起量が小さいほど次の地震までの時間は短くなる。」という規則性が証明されるのです。



この現象は、海溝型地震による地盤沈下からの「リバウンド隆起」と呼ばれています。


では、このリバウンド隆起からどのように次の地震を予測するのでしょうか?


1707年のリバウンド隆起は1.8mで147年後に地震が発生しました。


そして前回の1946年の地震のリバウンド隆起は1.15mでした。


この隆起量から次の地震の発生時期を予測します。



仮に1946年から等速度で沈降が進むと、ゼロの値に戻る時期は2035年と求められます。


しかし、このような数字は必ず誤差が生じますので「±5年」の幅を見込んで、2030年~2040年の間に南海トラフ巨大地震が発生するということが予測できます。



活動期と静穏期の周期


次に、以前の記事でも紹介した活動期と静穏期の周期から次の地震発生時期を予測する方法についても、もう一度ここで見ていきます。


日本列島の特に西日本では、地震の活動期と静穏期が交互にやってくることがわかっています。


ちなみに現在は活動期の真っ只中にあります。



では、現在の西日本はいつ活動期に入ったのか?を知る必要があります。


過去の活動から推測すると、1995年の阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震を境にちょうど活動期に入ったと考えられます。


次にこの活動期がどのくらい続くのかですが、南海トラフ巨大地震発生前の約40~60年、また発生後10年くらいの間に、西日本内陸の活断層が動き、地震の発生数が多くなる傾向があるということがわかっています。


そして、過去の活動期の地震の起こり方のパターンを統計学的に求め、それを最近の地震活動のデータに当てはめてみると、次の南海トラフ地震の発生時期は2030年代後半になると予測されます。


また、地震の繰り返しをを基に、これまで観測された地震活動の統計モデルからさらに時期を絞り込むと2038年前後となります。



この2038年前後という時期は前回の南海トラフ地震からの休止期間を考えても妥当な時期です。


前回の1946年の南海地震はおよそ92年の休止期間後に発生しました。


先ほどのリバウンド隆起の規則性から、次の活動は前回とほぼ同時期、もしくは前回よりも早いことが考えられます。


前回の南海トラフ地震は1946年に発生しましたが、これに同じ92年を足すとちょうど2038年となるため、あながち不自然な数字ではないのです。



唯一予知を可能にする「プレスリップ」


こうした異なる種類のデータを用いて求められた発生時期は、どれも2030年代と予想が一致しています。


つまり、2030年に入るまでに沿岸部からの移住や建物の耐震化など地震や津波に備えて準備をしていくことが必要になります。



また、富士山などの活火山の噴火に関して再来周期を大きく過ぎているという状況とは異なります。


南海トラフ巨大地震の発生時に起きるリバウンド隆起のあと、地盤沈下が等速度で進行しているため、時期を有る程度特定した予測が可能なのです。


つまり富士山噴火の周期には物理モデルがないのに対して、南海トラフ巨大地震では規則性を持つ物理モデルがあるので、このような予測が可能になるのです。



しかし、南海トラフ巨大地震の発生を日時の単位で正確に予測することは今の技術では全く不可能です。


SNSやネット上で「○年○月○日に巨大地震が起こる」などという情報や「○日に地震を予知した」などという情報が話題になることがよくありますが、科学的には全く根拠がありません。



しかし、南海トラフ巨大地震では「プレスリップ」という現象が起こると考えられており、その現象を捉えることで唯一地震の発生を事前に予知できる可能性があると言われています。


プレスリップとは、巨大地震の前に少しプレートが滑る現象で、これを捉えようと南海トラフでは24時間体制で観測が続けられているのです。


しかし、M9という巨大クラスの東北地方太平洋沖地震ではこうしたプレスリップは確認されませんでした。


そのため、南海トラフ巨大地震の発生前にプレスリップが観測されるかどうかも今後の研究の課題でもあります。



酷似する歴史から次の地震を推測する


歴史から推測するためには、まず現代の日本列島の動きと酷似する歴史の記録を探さなければなりません。


しかし、1000年に1度と言われるほどの出来事は簡単に見つけられました。  


つまり、東北地方太平洋沖地震から始まった「大地変動の時代」。


それに対応するのが、869年に起きた「貞観地震」です。



そして、この時代の地震や火山活動の記録を細かくみていくと、その発生地域や規模などが現代のものと非常に酷似していることがわかったのです。


まず、歴史を見ていくと、おそらくこの時の日本列島では818年に発生した北関東地震から「大地変動の時代」が到来したと思われます。


その後、827年の京都群発地震、830年の出羽国地震と内陸部で地震が続きました。



また、地震だけでなく火山の噴火も頻発していました。


832年に伊豆国、837年に陸奥国の鳴子、838年に伊豆国の神津島、839年に出羽国の鳥海山、と立て続けに噴火した記録が残っているのです。


さらにその後の地震活動を見ると、841年に信濃国地震と北伊豆地震、850年には出羽庄内地震、863年には越中・越後地震と相次いで大地震が発生し、864年には富士山と阿蘇山が大噴火するという事件が起きました。


868年には播磨地震と京都群発地震、871年に出羽国の鳥海山が発生し、874年に薩摩国の開聞岳が噴火しました。



そして、ついに現代でいう東日本大震災「貞観地震」が869年に発生しました。


その9年後の878年には、現在懸念されている「首都圏直下型地震」と思われる相模・武蔵地震が関東南部で起きました。


さらにその9年後に現代の南海トラフ巨大地震であるM9クラスの「仁和地震」が起きたのです。



この最後の貞観地震、相模・武蔵地震、仁和地震の3つが今後の予測に関してきわめて重要な研究材料になるのです。



例えば、この2つの「9年後」という事例を現代の21世紀に当てはめてみると、まず東日本大震災が起きたのは2011年で、その9年後にあたる2020年に関東南部で直下型地震が発生することになります。


これは、ちょうど東京オリンピックが開催される年になるのです。


世界中から何万人もの人々が東京都周辺に集まっている最中に巨大地震が襲うことになりかねないのです。


さらにそれから9年後の2029年頃に南海トラフ巨大地震が発生することになります。


もちろん、酷似した歴史をそのまま当てはめただけに過ぎないので、この年号通りに地震が起きるわけではありませんが、万が一そうなった場合はとんでもない災害になることは間違いありません。



5月1日に南海トラフ地震は発生しない!


このように科学的、歴史的な根拠から南海トラフ巨大地震がいつ起こるのかを細かく調べていくと、ネット上に溢れる予言、予知などの信憑性が皆無であるということは一文を見ただけで判断ができます。


現にこの記事を書いている現在までに、Twitterのフォロワーの皆様から不安の声や問い合わせをたくさん頂いています。


「5月1日に南海トラフ地震が起きると言われているのですが、本当ですか?」


「5月11日に南海トラフ地震が起きるらしいです。意見を聞かせてください。」


「ゴールデンウイーク中に大きな地震が起きるのは本当なのですか?」



しかし、4月28日現在までに南海トラフ沿いでは「プレスリップ」と呼ばれる先行現象や前震となりうるような地震活動だけでなく、潮位やその他の小さな異常すら見られていません。


はじめに話したリバウンド隆起や活動期の値などからも、いまの時点で何の材料もなく突然地震が起こることは「不自然」なことと言えます。


では、一週間以上先の5月11日なら起こりうるのかと言われるともちろん可能性自体はゼロでないかぎり起こらないとは言えません。


しかし、先ほどもいったように何の材料もなく突然起こることが不自然なのであれば、11日までの間に何か不安材料が出てくるということになります。


つまり、5月11日に地震が起こると予言、もしくは予知をしているということは、地震の発生を予測するための先行現象までも予知していることになりますので現実的ではありません。



ちなみに、気象庁では南海トラフ沿いで地震が発生する可能性が平常時と比べて相対的に高まったと判断できる特段の変化は観測していません。



人工地震は起こされない!


また、「人工地震」という話題もありますが、実際に地震が起きた場合、それが人工地震なのか自然地震なのかは学者なら誰でも一目でわかるはずです。


東日本大震災以降SNSやネット上で拡散されだした情報で、当時Twitterを始めたばかりの私のもとにも多数問い合わせがあり、添付していただいていたURLから話題の記事を読ませていただきました。


感想としては、本当に上手く様々な出来事を悟られないように工夫し、作り上げ、結びつけているなと感心しました。


ネット上のお遊びとしては、すごく巧妙で、とても頭の良い人が作り上げた情報なのだと思います。 


それゆえ、信じてしまう人がなぜこれだけ多く存在しているのかということも納得ができました。



地学の知識がなくとも、私の記事をいつも読んで下さっている方であれば、もうこのような情報に惑わされることはないのではないでしょうか?


少なくとも、そうあって欲しいと思っていますし、これからも質のいい情報をできるだけ広く伝えられるよう努力し、研究を続けてしていきたいと思います。


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