南海トラフ地震警戒情報

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南海トラフ巨大地震による「西日本大震災」と「首都圏直下型地震」が本当にいつ起きても不思議ではない理由

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2030年代までに必ず起こる「西日本大震災」


現在、日本列島での地震活動は活発化してきており、長い間沈静化していた火山噴火もこれから目覚めることが予想されています。


実は地球科学から見ると、現在のような現象は既に予想されたものでした。


大きな要因の1つに「東北地方太平洋沖地震」の発生があります。


3.11や東日本大震災とも呼ばれる超巨大地震の発生を機に日本列島では「大地変動の時代」が始まったのです。



「大地変動の時代」とは、千年ぶりの地盤の動乱であり、つまり、これから日本列島の地盤が乱れ、暴れ始めるということです。


特に発生が懸念されている「南海トラフ巨大地震」も2030年代までには確実に発生すると考えられています。


これにより次は「西日本大震災」が引き起こされ、東日本大震災より1桁大きい甚大災害となることが地球科学者たち全員が予測しているのです。



また、これは個人的な話なのですが、外国の研究者達から初対面で必ず言われることがあります。


「西日本大震災は必ず起こり、貴方を、貴方の町を襲うことになるだろう。それがわかっているのに、なぜ日本から脱出しないんだ?」


また、「なぜ危険な地域(高知県)にわざわざ移住する必要があるんだ?」ともよく言われます。


それほど日本列島がいま危険な状態であるということを、みんな理解しているのです。


しかし、現実は直下地震が確実に来ると言われる関東地方も含め、南海トラフ巨大地震の津波浸水想定地域にまで次々と新築が建ち、人々が生活しています。


ちなみに私は主に研究のためにここにいるのですが、次の南海トラフ巨大地震では事前避難が可能であると強く信じていて、それを前提に万が一があれば自ら震災を経験するという覚悟で移住してきました。


また、それを除くと比較的、自然災害のリスクが低い地域だとも考えています。



今後も東日本大震災の影響は続く


2011年3月11日に東北地方の宮城県沖を震源として発生した「東北地方太平洋沖地震」は日本史上最大規模の地震であり、1000年に1回起きるかどうかという極めて稀な巨大地震でした。


この日以後、日本列島の地盤は大きく変化しました。


この地震により東北地方はエネルギーが解放されたという人は多いですが、実は、まだ溜まっているエネルギーが今後も長い期間をかけて解放されていく可能性が高いのです。


今後起こるとされるM8クラスの最大余震もそのうちの1つです。



また、東日本大震災のような巨大地震は内陸部の地震も誘発させます。


3.11では岩手県沖から茨城県沖にかけての長さ500キロメートル、幅200キロメートルという広大な範囲で海底の地盤が割れました。


このとき地下の断層がおよそ50メートルもずれました。


つまり、日本列島に50メートル分のひずみが新しく加えられたのです。



その影響により3.11直後から、震源域から何百キロメートルも離れた内陸部で規模の大きな地震が次々と発生しています。


たとえば長野県北部(M6.7)や静岡県東部(M6.4)などで地震が誘発しています。


このように巨大地震が発生した後、遠く離れた内陸部で地震が活発化した例は過去にも多数報告されています。


さらに今後もまだ10年以上もの長期にわたって、日本列島全体で直下型の誘発地震を警戒しなければならないのです。



では、なぜ余震域でないところで地震が起きてしまうのでしょうか?


3.11の地震は、日本列島を5.3メートルも東側へ移動させました。


また太平洋岸に面する地域は地盤が最大1.6メートル沈降しました。


すなわち、日本の地盤を巨視的に見ると、東北地方全体が東西方向に引き伸ばされ、かつ沿岸域が沈降したのです。


このように陸地が海側に引っ張られてしまう地殻変動は、海域の巨大地震が起きた後に必ず見られる現象なのです。



今後発生が懸念される「首都圏直下型地震」


どれだけ大きな地震が起きても、そこに人が住んでいなければ災害は起こりません。


あるいは壊れてくるものがなければ被害は最小限に抑えられます。


反対にそれほど大きくない地震でも、ビルが密集し人がごった返している場所で起きると、甚大な被害が発生します。


中でも危険な場所が東京を含む首都圏です。


首都圏も東北地方と同じ北米プレートと呼ばれる陸のプレート上にあるため、活発化した内陸地震が起こる可能性が十分にあるのです。


ここでM7クラスの直下型地震が発生することが、南海トラフ巨大地震と並んで懸念されているのです。


国の中央防災会議では、首都圏でM7クラスの直下型地震が起こった場合、東日本大震災を超える2万3000人の死者全壊および焼失家屋61万棟95兆円の経済被害が出ると想定しています。



3.11以後の東日本の内陸部では、首都圏も含めて直下型地震が起きる確率が高まっています。


そして関東地方では今でも特に地震活動が活発な状態が続いています。


震災直後には一時、地震の発生頻度が通常の10倍以上にも跳ね上がり、その後も2倍程度のペースで継続しているのです。



数ヶ月単位での地震予測を可能にするために


大きな地震がどこかで起こるたびに科学は大きく進歩していっています。


例えば、1995年に起きた阪神・淡路大震災では、その後、日本の全域で高感度の地震計や全地球測位システムなどの観測網が整備され、活断層の考え方もそれまでと大きく変わりました。


しかし、地震予測は数ヶ月や数年、欲を言えば数日単位で行わないと減災の効果は発揮しません。


実際に「南海トラフ巨大地震が30年以内に80%以上の確率で起きる」と言われても、誰もすぐに避難しようとはせず、月日が経ち油断しているときに突然襲ってきます。


しかしこれが「南海トラフ巨大地震が30日以内に80%以上の確率で起こる」と言われればどうでしょう?


おそらく危険な地域に住む人たちのほとんどが事前避難をするのではないでしょうか?そうでなくとも強制的に避難を余儀なくされる可能性が高いです。


30年以内と言われると、人間はどうしても「まだ先だから」と言って行動を起こしません。


せっかく長い時間を与えてもらっているのにも関わらず、少しずつの行動すら起こさない人が多いのです。


しかしそれが30日以内となると、危機感を覚え、急いで行動します。


こういった人間の心理も減災を難しくする一つの要因となっているのです。



「30年以内に80%起きる」といわれてみんなが危機感を覚え、事前避難やリスクの少ない地域へ移住をするのなら、いまの科学者達はほとんど、いや全ての人々を南海トラフ巨大地震から救うことができるでしょう。


たとえば数年ですら日本列島の歴史から見ると瞬きのような時間単位です。


数週間~数ヶ月単位での地震予測というのは、さらにその瞬きの前兆を捉えるような途方もない作業なのです。


そして、それを可能にするために国民から批判を浴びながらも科学者たちは研究しているのです。



なぜ想定外が起こったのか?


東北地方太平洋沖地震から始まった、地面が引っ張られることで発生する地震がどこに起きるかはまったく予想がつきません。


3.11以前は地震の空白地帯であった地域も、それ以降は地震の頻発地になっています。


そして、今後もそのような場所が次々と現れてくると考えられます。



東日本大震災は宮城県の沖合で869年に起きた「貞観地震」の再来です。


最近の研究で貞観地震の規模はM8.4と推定されていましたが、実際にその再来である東北地方太平洋沖地震ではM9.0という超巨大地震になってしまいました。


地震学者がM9が発生すると想定しなかったことが、科学の限界を端的に表しています。


その結果、3.11以来、科学の世界に「想定外」という言葉が氾濫しています。


予測できなかったことをすべて「想定外」と言って責任を回避しようとする一方、想定外という言葉について反論も渦巻いています。


そして科学は何も予測できないという不信感が生じることで、大事な科学的情報が伝わらないという危機的な状況が生まれています。



では、科学者たちが使う想定外というのは具体的にはどのようなことを言うのでしょうか?



人間心理から生まれた想定外


まず1つ目は「正常性バイアス」「正常化の偏見」と呼ばれる心理から生まれた想定外があります。


3.11の約7年前の2004年12月にスマトラ島沖でM9.1の超巨大地震が発生し、大津波が発生し25万人を超える犠牲者を出しました。


当然、日本の科学者たちも、極めて稀なM9というこの巨大地震について研究対象とし、そこから様々なことを学びました。


しかし科学者たちは、まさか日本列島で近々M9クラスの巨大地震が起きるとは1ミリも予想していなかったのです。


これは心理学で「正常性バイアス」、もしくは「正常化の偏見」と呼ばれる現象です。


つまり、「自分だけは大丈夫」、「日本は大丈夫」と根拠もなく思いこんでいたのです。



また、貞観地震の存在を知っていたが、1000年以上も昔の地震が再来するとは予想だにしていませんでした。


まさか自分たちの生きている時代に起きるとは考えていなかった、まさに「正常性バイアス」が生んだ悲劇といえるのです。


そして、この教訓はしっかり南海トラフ巨大地震の想定にもいかされており、今後は考え得る最悪のケースを想定するようになっています。



未知の活断層と地震現象の複雑系による想定外


また、その他にも未発見の活断層による想定外や、地震という現象そのものに関する想定外などがあります。


例えば大都市など沖積層に覆われた低地の下に埋もれている活断層は、ほとんど調査が進んでいません。


また、地震の発生によって未発見の活断層が発見されるという例も珍しいことではありませんし、地質学者などが調査をすればするほど、次から次へと新しい活断層が発見されるのです。


つまり、活断層が存在しないと思っていた場所で地震が発生することによって「想定外」が生まれるのです。



そして、地震そのものに関する想定外とは、地震現象を正確に予知することはそもそも無理だということです。


例えば、割り箸を一本両手で持って、徐々に力を加えて曲げてみてください。


当然いつかは二つに折れますが、割り箸のどこで折れるか、またどの程度力を加えたときにいつどのタイミングで折れるかを予測するのは非常に困難なことがわかります。


割り箸のような天然の木材は分子が絡み合っており、人間はもちろん、超高速のコンピューターを用いても予測困難なのです。



しかし、コンピューターを使えば例えばこのようなことがわかります。


加える最大の力が「100」とすると、だいたい70~85の間で折れるということは予測ができる。


しかし、70~85のどこで折れるのかは正確に予測することは不可能。


ごく稀に65前後で折れたり、90まで折れなかったりするが、平均的には70~85で折れる。


現在は50だから力が加わるスピードから計算すると、あと10秒以内には○○%の確率で折れるだろう。



そして、これは割り箸ではなく地震現象も全く同じことが言えるのです。


こうして求められた値が「30年以内に80%」という確率です。


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