南海トラフ地震警戒情報

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気象庁の「噴火警戒レベル」はあてにならない!レベル1でも噴火が起こるのはなぜか!?

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なぜ御嶽山噴火が大災害になったのか?


2014年9月27日正午少し前、御嶽山で死者行方不明者63名という戦後日本最大の火山災害が起きました。


噴火したのは山頂のすぐ南西にある地獄谷付近でした。


御嶽山は東海地方、特に濃尾平野の多くの場所から見えることもあり、昔から人々に親しまれてきた山でした。


さらに日本で最も西にある標高3000メートルを超える山で、その標高のわりには簡単に登れる山というので登山者からも人気がありました。


ロープウェイやゴンドラリフトがいくつもあって、標高2200メートル近くまで楽に行けますし、自家用車が入れる道も標高2160メートルのところまで通じていました。


軽装でも登れる山なので観光客も多くいました。



噴火したのは秋の行楽シーズン、快晴の土曜日で、この日は紅葉の秋に囲まれた観光客は特別に多くいました。


しかも、正午前の一番人が山頂付近に集まる時間帯でした。


そこに噴火が起きたために大災害となってしまったのです。



御嶽山が噴火したときに気象庁が出す活火山の「噴火警戒レベル」は「1」でした。


噴火警戒レベル1は最も低いもので「平常」とされる値です。


つまり、気象庁は、山頂を含めてどこに登ってもいいという情報を出していたのです。



あてにならない噴火警戒レベル


日本には活火山が110あり、そのうち24時間監視の火山が50あります。


そして、その中から差し迫った噴火を警戒しなければならない火山には「噴火警戒レベル」というものがつけられています。


先ほどの噴火警戒レベル1が一番低く、「平常」とされています。


また、噴火警戒レベル4の場合は「避難準備」、噴火警戒レベル5は「すぐに避難」とされています。



実はこのレベルの決め方は客観的でもなく、数値的な基準があるわけでもありません。


警戒レベルを決める学問的な基準はないのです。



そもそも、噴火の予知や、いまどのくらい噴火が迫っているかを学問的に知ることは一般的には不可能なのです。


つい数日前に発生した阿蘇山の噴火も警戒レベル2でしたが、突然噴火しました。


前日までにいくつかの地殻変動などの異常は捉えていたものの、規模は小さくとも、まさか阿蘇山が噴火するとは誰も予想していませんでした。



特定の火山で過去の履歴が十分に知られているときには、噴火が近づいていることが例外的にわかることもありますが、すべての火山で統一した基準を作ることは難しいのです。


そのため現在の「噴火警戒レベル」は、経験と勘に頼ったものでしかありません。


2014年の御嶽山噴火のように、いままでの経験では予想できない噴火が起きてしまうことはほかの火山を含めて今後も十分に考えられるのです。



御嶽山では「噴火警戒レベル」を上げなかったことが被害を生みました。


一方で、いままでは「噴火警戒レベル」を上げても結局噴火しなかった火山もたくさんあります。


噴火警戒レベルは決めるのが難しく、またあてにならないものなのです。



この火山災害後に火山噴火予知連絡会の検討会は、「噴火速報」を新たに導入したほか、「噴火警戒レベル1」の表現を「平常」から「活火山であることに留意」と改め、観測機器の増強や火山専門家の育成をすることを提言しました。


ただ、表現方法が変わっただけで、噴火口がある山頂に行くのが規制されるということもなく、また経験と勘に頼ったものであるということには何ら変わりはありません。


では、なぜ表現方法をわざわざ変える必要があったのでしょうか?


登山者に「ここはあくまで活火山ですよ」としっかり理解をさせることはもちろんあると思いますが、そこが活火山であることは、ほとんどの登山者が知っているはずです。


とすれば、万が一、また同じようにレベル1のときに火山災害が起きてしまった場合の責任を登山者に押しつけて、役人の責任を少しでも軽くしたいだけなのではないか?と疑ってしまいます。


人が噴火口に近づくという危険な行為を認めている以上、このような災害は今後も必ず繰り返されるのです。



御嶽山噴火の前兆


御嶽山は危ない火山のひとつではありましたが、戦後最大の火山災害となった2014年の噴火についても、たしかな前兆にあたる現象はほとんどありませんでした。


しかし、2014年の噴火の約2週間前には火山性地震が一時的に増えていました。


また、2007年3月にもごく小規模な噴火が起きていましたが、冬季だったこともあって登山客はなく、被害はありませんでした。


このときの噴火は2014年の噴火よりも小規模な噴火だったにもかかわらず、約4ヶ月前から火山性地震も山体膨張も観測され、噴火の約2ヶ月前から地下でのマグマの動きと関連すると思われている低周波地震や火山性微動が観測されていました。


それに対して2014年の噴火では、火山性微動が観測されたのは、噴火のわずか11分前でした。



2014年の噴火前は、一時的に増えた火山性地震もすぐに収まり、山体膨張も低周波地震や火山性地震もまだ観測されていませんでした。


そのため、噴火警戒レベルは「1」のままだったのです。


しかし、御嶽山は2007年のときよりもずっと大きな規模で噴火してしまいました。



過去にも「死火山」だとされていた御嶽山が1979年にいきなり噴火したことがあります。


つまり御嶽山は、まったくノーマークのときに2回も噴火を起こしているのです。



かつて日本の火山は「活火山」、「休火山」、「死火山」に分類されていました。


「休火山」はかつて噴火したが今はお休みをしている火山、「死火山」はかつて噴火したがもう噴火しない火山のことを指していました。


分類としては非常にわかりやすく、学校でも教えられていました。



しかし、死火山だとされていた御嶽山がいきなり噴火したのです。


噴火の規模としてはそれほど大きくはありませんでしたが、登山者が一人負傷しました。


「死火山」とされていた火山が突然噴火したことで、火山学者や気象庁は大きな衝撃を受けました。


そしてこの噴火以来、火山学者や気象庁は「死火山」、「休火山」という分類を使わなくなりました。