南海トラフ地震警戒情報

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21世紀に5回以上「大噴火」が起きる!?20世紀の異様な静穏期

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噴火の規模を表す指標「VEI」


2014年9月に起きた御嶽山噴火は死者行方不明者63人という戦後最大の火山災害になりました。


しかしこの噴火は、規模そのものは日本で過去に起きた噴火に比べるとごく小さなものでした。



御嶽山が噴出した火山灰や噴石の総量は50万~100万トン、容積にすれば20万~45万立方メートルでした。


東京ドームの容積が124万立方メートルなので、御嶽山噴火の噴出物は東京ドームの6分の1~3分の1ほどなのです。


火山の噴火は大きなものと小さなものを比べると何桁も規模が違います。



火山学では、噴火の規模を表す指標として「VEI」というものを使います。


噴火の規模が大きくなるほど数値が大きくなる、地震でいうマグニチュードみたいなものです。


VEIは最小「0」~最大「8」まであり、0は噴出物が1万立方メートル以下のもの、8は1兆立方メートルを超えるものという基準があります。


ただし、このVEIは、火山から空中に向かって飛び出した噴出物の量から規模を表している数値ですので、熔岩ドームや溶岩流のように上空に飛び出さずに火口から流れ出したものは含まれません。


このうち、火山学者が「大噴火」と表現しているものは、3億立方メートル以上の噴出物があった噴火で、VEIは「2」、東京ドームで数えると約250杯分以上のものを言います。


この大噴火といわれるVEI2以上の噴火は、実は日本で何度も繰り返されてきているのです。



19世紀まで繰り返されてきた大噴火


19世紀までの日本では、各世紀に4~6回の大噴火がありました。


例えば17世紀には北海道の駒ヶ岳、有珠山、樽前山、そしてまた駒ヶ岳と北海道だけで4回もありました。


駒ヶ岳噴火ー1640年
有珠山噴火ー1663年
樽前山噴火ー1667年
駒ヶ岳噴火ー1694年


このうち1回目の駒ヶ岳、有珠山、樽前山の噴火は、2回目の駒ヶ岳の噴火よりもはるかに大きな噴火で、それぞれ東京ドーム約800杯分以上の噴出物が出ました。


しかし、それらよりも小さかった1694年の駒ヶ岳の噴火でさえ、東京ドーム約250杯分以上の噴出物が出た大噴火でした。



18世紀には富士山の宝永噴火、樽前山、伊豆大島、桜島、雲仙岳、浅間山の6回の大噴火がありました。


富士山噴火ー1707年
樽前山噴火ー1739年
伊豆大島噴火ー1777年~1779年
桜島噴火ー1777年~1782年
雲仙岳噴火ー1782年
浅間山噴火ー1783年


このうち富士山の宝永噴火は、伊豆大島や雲仙岳の大噴火よりも大きく、VEI5とされています。


富士山の宝永噴火は富士山の三大噴火のひとつと言われるもので、相当な規模でした。


また、1783年に起きた浅間山の噴火も世界中に火山灰を撒き散らした大噴火でした。


しかし、樽前山と桜島は、富士山などほかの4つの噴火よりもさらに大きく、東京ドーム約800杯分以上の噴出物が出ています。



19世紀には、有珠山が2回、駒ヶ岳、磐梯山の4回ありました。


有珠山噴火ー1822年
有珠山噴火ー1853年
駒ヶ岳噴火ー1856年
磐梯山噴火ー1888年


このうち磐梯山の噴火は大規模な山体崩壊を起こした噴火で、19世紀日本最大の噴火となりました。



20世紀から続く異常な静穏


ところが20世紀に入ってからは様相が違いました。


20世紀には、はじめのうちに2回の大噴火があっただけで、以後100年近くは静かな状態が続いているのです。


これは極めて異例のことと言えます。



20世紀の大噴火は1914の桜島と1929年の駒ヶ岳のみで、桜島の噴火はVEI5の巨大噴火でした。


この噴火では複数前兆が見られたのに、噴火の予知に失敗して多くの犠牲者を生んでしまいました。


その後、1929年以来、現在まで100年近く大噴火は起きていません。そしてその理由も不明なのです。


しかし地球物理学的に、静かな状態がいつまでも続くことはあり得ません。


もっと大噴火が多い「普通」の状態に戻ると考えるのが自然なのです。


そのため、21世紀には少なくとも5~6回、長い静穏期があったことを考えるとそれ以上起きても不思議ではないと考えられるのです。



起きるとヤバイ!?「カルデラ噴火」とは


東京ドーム約250杯分以上の火山噴出物がでる噴火を「大噴火」と言います。


しかし、カルデラ噴火はこの大噴火よりもさらに400倍以上もの大きな噴火なのです。


「カルデラ」はもともとはポルトガル語で「大きな鍋」のことです。


火山学ではカルデラは火山を中心にした大きな窪地のことで、地下から大量のマグマが出てきた結果、地下に空洞ができ、その空洞が陥没して地表が大きく窪んでできるもので、まさに火山に作られた「大きな鍋」のようなものです。


日本では阿蘇山に見られるものが有名です。



伊豆大島や三宅島の火山にあるカルデラは、ここでいうカルデラ噴火でできるカルデラよりもずっと小さいものですが、形としては同じです。


大規模なカルデラ噴火は日本でさ過去10万年間にわかっているだけでも12回起きています。


つまり、数千年に1度ずつ繰り返されてきました。


いちばん近年のものでは7300年前に九州南方で起きた「鬼界カルデラ噴火」でした。


このときの噴火で放出されたマグマは東京ドーム10万杯分にもなりました。


規模を表すVEIでは7に相当します。
わかりやすく、地震で表すとM9に匹敵します。



鬼界カルデラ噴火の前には、約2万9000~2万6000年前に姶良カルデラ噴火が起き、これによって鹿児島湾が作られました。


さらに前には、約9万年前に阿蘇山カルデラ噴火も起きています。


これらのカルデラ噴火もVEIでは7に相当する規模だったと考えられています。


阿蘇山のカルデラ噴火では火砕流が九州北部はもちろん、瀬戸内海を越えて中国地方まで達しました。


火砕流は高温のガスやまわりの空気を取り込むために、その密度は1以下とごく軽いこともあります。


このため、この阿蘇山の噴火のときのように海上を流れて海を越えることもあるのです。



このカルデラ噴火の結果、日本第2位の大きさを持つ阿蘇カルデラが作られたのです。


東西に18km、南北に25kmもあり、カルデラ内には5万人もの人々が暮らし、空港まであります。


これだけの巨大なカルデラができたのは、100立方キロメートル以上のマグマが地上に出てきたために地下に空洞ができ、そこが大規模に陥没したためです。


その後、このカルデラの内部には湖ができていましたが、壁の西側を活断層が切って水が排出されたためになくなりました。


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