南海トラフ地震警戒情報

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日本の火山が引き起こす災害「火山泥流」「海底噴火」「有毒ガス」

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大被害を生んだ「火山泥流」


火山泥流とは、火山噴出物と水が混ざって流下するもので、大量の水分を含んでいるときにはスピードは時速100キロメートルを超えることもあります。


噴火の熱で氷や雪が溶けて出るもののほか、火口湖が噴火したり、噴火後に多量の雨が降って出るものなどがあります。



実際に北海道では1926年に十勝岳が噴火して融雪型の火山泥流が流れ出て大きな被害を生んだことがあります。


十勝岳は北海道の中央部にあり、昔から活発な噴火を繰り返してきています。


20世紀には3回、規模の大きな噴火がありました。


中でも1926年の噴火では大規模な火山泥流が発生したのです。



この泥流は美瑛川と富良野川の2つの川に沿って一気に流れ下り、わずか25分で約25キロメートル離れた上富良野市街にまで到達しました。


泥流の速度は平均時速約60キロで、とても人間が逃げられる速さではありませんでした。


火山弾・軽石流による被害を含めると、上富良野を中心に死者行方不明者144名、負傷者200名、流失・破壊家屋372棟という大災害になってしまいました。



火山泥流を生んだ噴火が起きたのは5月24日でしたが、これは熱い岩屑なだれが、北国ではまだ厚く残っていた積雪を溶かして大規模な泥流を発生させたのです。


この災害は大正14年に起きたため「大正泥流」と呼ばれています。


雪が残っているときには、火山災害は大きくなりやすいのです。



その後、1962年にも十勝岳は大きな噴火を起こし、噴石が飛んだことで火口の縁にあった硫黄鉱山事務所を破壊し、死者5名、負傷者11名を生みました。


この噴火では、火山弾や火山灰が大量に噴出され、噴煙も高さ1万2000メートルまで達しました。


火山灰は遠く知床や南千島方面にまで流れ、爆発音は190キロメートル先まで聞こえました。


十勝岳では、いまでもほぼ毎年のように火山性微動が観測されており、小さな噴火もときどき起きています。


もし積雪期にまた噴火したら、1926年の噴火のときのように雪が溶けて大規模な泥流や土石流が発生する恐れがあります。



海底火山の噴火


伊豆大島や三宅島のような火山島ではなく、海底にある火山が噴火して海上に火山が姿を現した例も多くあります。


また海面に顔を出さなくても、海面が変色していることが上空から観察されたという例はもっと多いです。


これも海底での火山噴火だと考えられています。



日本には千島列島から東日本を縦断して伊豆七島から西之島新島の先まで火山前線が延びているので、海底でも火山がよく噴火します。


このうち、最も悲劇的なものとしては1952年に観測船がこの噴火を調査中にいきなり起きた海底噴火に巻き込まれて、乗組員31名全員が亡くなったという事件があります。


また、近年にも海上保安庁の観測船が海底噴火で吹き飛ばされかけたことがあります。


1989年6月30日、伊東市の沖で群発地震が始まり、7月9日にはマグニチュード5.5の中規模地震が起きました。


この領域では群発地震は特に珍しいことではありませんでしたが、今回のはそれまでの群発地震とは違っていました。


7月11日からは火山性微動が観測され始めたのです。



伊豆東部火山群


伊豆半島の東部からその沖の海中にかけての一帯には「伊豆東部火山群」と言われる小さな火山がたくさんあります。


それらは単成火山というもので、例えば富士山のように何度も噴火を繰り返してできた成層火山ではなく、たった1回の噴火だけでできた火山です。



気象庁はこのどこかで噴火の危険性が高いと発表しました。


どこで、いつ噴火するのかはわからず、どこで噴火が起きてもおかしくないと報道され、人々に不安が広がりました。


そして7月13日の夕刻、伊東のすぐ沖で海水を盛大に噴き上げて海底噴火が始まったのです。


そのとき、海上保安庁の観測船がこの一帯で海底地形の変化を測っていました。


その調査をしている最中に、いきなり噴火したのです。


もし真上にいたら大惨事になっていました。


火山の噴火は、これだけ近くで専門家が調査しているにも関わらず、発生を予知できないほど突然に起こることもあるのです。



火山の有毒物質による死亡事故


火山から出てくる物質は人体に有毒なものもあります。


水銀の蒸気を普段から出している火山は多くあります。


たとえば姶良カルデラの噴火が作った鹿児島湾の底からは、火山起源の水銀がいつも出てきています。


ハワイの火山で噴火に見とれている観光客も水銀の蒸気を吸い込んでいることになります。



また、火山からでてくる有毒物質は水銀だけではありません。


硫化水素二酸化硫黄砒素二酸化炭素メタンなども大量に出している火山が多いのです。


これはある国や企業が出したとしたら、世界中から糾弾されるほどの量で、それが何回も噴出するのです。



2015年には秋田県の乳頭温泉で硫化水素ガスによって3人が死亡しています。


それ以前にも、1997年には青森県・八甲田山で窪地から噴出して滞留していた高濃度の炭酸ガスにより自衛隊員3名が訓練中に窒息死する事故が起きています。


また、2010年にも酸ヶ湯温泉上方の沢で、山菜採りに訪れていた女子中学生1名が、現場に滞留していた火山ガスで中毒死する事故も発生しています。


その他にも火山ガスなどの有毒物質により多くの死亡事故が起きています。


火山大国で暮らすうえでは、こういった見えない事故にも注意しなければいけないのです。