南海トラフ地震警戒情報

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巨大化する地震・津波に対してどのように備えるか?

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プレート境界型地震と内陸型地震


気象だけでなく、地震や津波に関しても、これまでの常識が通用しなくなっています。


つまり「想定」が巨大化を続けているのです。



地震そのものは、実は日本周辺で年間数千回ほど起きています。


まず、地震には様々なパターンがありますが、大きくは「プレート境界型」と「内陸型」の2つに分けることができます。


地球の表面はいくつもの「プレート」と呼ばれる岩盤に覆われていて、日本はいわばその交差点になっています。


東からは太平洋プレート、南からはフィリピン海プレートが押し寄せています。


これらのプレートは、陸側のプレートとの境目で沈み込んでおり、この「プレート境界」のずれ動きによって起きるのが「プレート境界型地震」です。



広い範囲でずれ動くとマグニチュード、つまり地震の規模が大きくなるだけでなく、海面が持ち上げられて津波が起きることもあります。


東北地方太平洋沖地震では南北およそ450km、東西およそ200kmもの範囲がずれ動きました。


範囲が広いため、揺れも広範囲に伝わり、時間をかけて破壊が進んだため、揺れる時間も長くなりました。



それに対して「内陸型地震」は、「陸域プレート内地震」ともいって、私たちが暮らす内陸の真下で起きる地震です。


押し合いへし合っているプレートの内部には、古傷のような「断層」があります。


地下10kmから20kmほどの位置に震源があり、断層のずれは地表の近くまで及びます。


震源がより浅い場合、建物への影響が大きくなるのは揺れが衰えずに伝わるためです。


これらの繰り返し地震を起こす可能性のある古傷を「活断層」といいます。



膨らむ南海トラフ地震の被害想定


地震についての想定は、まず「プレート境界型」で大きく塗り替えられました。


東北地方太平洋沖地震を受け、2012年に、西日本の沿岸、南海トラフで地震が起こった場合、その規模の想定が最大でマグニチュード9クラスにまで引き上げられたのです。


最悪の場合、32万人余りが死亡、建物は238万棟余りが全壊するとされました。



この場合、九州から東海、そして関東にまで揺れや津波が影響します。


2003年の段階での想定は死者2万4700人、全壊棟数94万棟余りでした。


つまり、死者は13倍、被害を受ける建物も2.5倍に増えているのです。


現在では、このほかに北海道や東北の沖合で起きる地震についても、改めて検討が進められています。



首都直下型地震などの内陸地震の想定も増加


内陸型地震についても、2013年に関東の南部、いわゆる「首都直下」と呼ばれる地域では27もの地震が想定されました。


近い将来起きるおそれがあり、社会的・経済的な影響が大きいのは都市の真下で起きる内陸型地震です。



新想定では、都心内部の直下でマグニチュード7.3の大地震が起きると、最悪の場合、死者が2万3000人、全壊または焼失する建物が61万棟に上るとされました。


2004年の想定では死者が最悪で1万1000人とされているので、およそ2倍近く増加しています。



また、大阪や名古屋などの大都市に近い場所で起きる内陸型地震についても、これから想定の見直しが行われる予定です。


東北地方太平洋沖地震で、地震の規模がマグニチュード9.0と従来の想定を大幅に上回り、大きな被害につながったため、


科学的に考えられる最大クラスの地震や津波を考慮する必要性がある。として、これまでつくられてきたものにすべて見直しをかけているのです。



地震にはどのように対策すればいいのか?


事前の予測が難しい地震・津波の場合、避難までに残される時間は極めて短いです。


その中で一体どのように避難をすればいいのか、また想定が厳しくなる中で有効な対策は本当にあるのでしょうか?



避難とは一般に「退避行動」を指します。


地震の引き起こす災害は揺れによる建物の倒壊や家具の下敷き、津波、火災などがありますが、揺れについては「退避行動」というよりは、事前の備えが重要になってきます。


例えば建物の耐震化や家具の固定、防災訓練なども重要な備えの一つです。



もちろん最終的には、テレビや携帯電話から鳴る「緊急地震速報」のアラーム音で身を守ることも重要です。


緊急地震速報とは、地震の時に発生するP波と呼ばれる小さな地震波から、その後に続く大きな揺れを予測し警告を出すものです。


地震の備えをしっかりと行った上で、緊急地震速報に基づき適切な行動を取ることが求められます。



地震時の火災の恐ろしさ


火災についてはあまり注目されていませんが、通常の火災とは異なり、地震時の火災は複数の場所で同時多発的に発生します。


そのため、自治体の消防力が圧倒的に不足してしまいます。


さらに地震時の渋滞や家屋の倒壊による道路の閉塞も拍車をかけます。


木造の密集市街地が存在する場合はいったん初期消火に失敗してしまうと、手がつけられなくなってしまうのです。



2016年12月に新潟県糸魚川市で発生した大規模火災は、改めて強風下の火災のおそろしさと、地震火災における避難の重要性を強く印象づけました。


付近の住民たちは「消えると思ったが、一瞬で燃え広がって手が着けられなくなった」と話していました。


いち早く判断できれば、炎が回ってくるより人間の逃げ足が勝りますが、火災の場合は自宅も気になる上、「今が避難するとき」という事態の認定もなかなかできません。


地震時にはこうした火災が複数発生するおそれがあるのです。



首都直下型地震では、最も被害想定が大きい冬の夕方、風速が8メートルの場合、全体の死者の7割にあたる1万6000人は火災による死者となっています。


火災からの避難の場合、「広域避難場所」に向かわなければいけません。


もし火の手が複数ヶ所であがったと確認できた場合、付近を住宅に囲まれた公園や小中学校は、輻射熱や火の粉の影響を受けてしまうので危険なのです。


広域避難場所に指定された広い場所に避難することが何より重要なのです。



津波からどのように避難するか?


避難という面で重要なのは、やはり津波です。


特に近い将来起こり得るとされる南海トラフの巨大地震は、大津波が発生する可能性が極めて高いです。


想定では最大値ばかりが注目されがちですが、少なくとも10メートルを超える津波が広い範囲の都市を襲うのです。


これに対して多くの自治体では、避難計画の見直しが迫られているのです。



東日本大震災では、地震当日の夕方までに津波から避難したという人が79.4%いました。


数値だけを見ると多いと感じますが、実際には避難していない人のほうが多いかもしれません。


なぜなら、「避難していない人」のほとんどは津波の犠牲になったため、アンケートに答えていないからです。



そして避難した人たちに、「避難した場所にまで津波が迫ったか」と問うと、4割近い人が「迫ってきた」と答えたのです。


実際に東日本大震災では、津波の避難場所とされた建物もほとんど波にのみこまれていました。


インタビューによると、「200人近い人が避難した建物が波にのまれていく様子を、真正面の少し高い建物からただ見ていることしかできなかった。」という。



気象災害は「リードタイム」、すなわち雨や風が強くなってから、災害が発生するまでに時間があり、それゆえの難しさがあります。


一方で、まったく異なるのが地震や津波です。


津波を発生させる地震の大半は、陸側プレートと海側プレートがずれ動いて起きます。


揺れや津波に対してリードタイムを稼ごうとすると、事前に「プレートがずれ動く」情報を入手しなければなりません。


しかし、現在の知見では「いつ・どこで・どのように」プレートがずれ動くのか、確度の高い予測は困難だとされています。


そうなると、実質的には地震の発生から津波の到達までが避難に与えられた時間となります。



津波警報は地震発生からおよそ3分以内に発表されます。


私の住む町は、津波到達が想定されている時間を頭に入れて外を歩いてみると、意外と高台が多く、少し遠かったり、複雑な道であっても、何とか時間内に避難ができるように感じられました。

<br 東日本大震災時の津波は、規模こそは想定外でしたが、第一波についてはおおむね想像した通りの時間差で来ていました。


しかし、規模が想定を大きく超えていたために、本来津波の避難場所とされていた場所まで波にのまれたり、第一波がそれほど高くないと感じて戻ってしまったりした人がいたために被害が拡大しました。



南海トラフ地震の津波は短時間で襲ってくる


時間については、南海トラフ地震の場合はさらに厳しい状況に置かれることになります。


多くの地域で津波が到達するまでの時間が10分を切るのです。


なぜこれほど短時間なのでしょうか?



たとえば、東北沖の巨大地震では震源域が沖合およそ100kmから200kmの位置にあります。


それに対して、南海トラフでは震源域が陸の下にまで潜り込んでいるのです。


震源域が陸に近い分、津波が到達するまでの時間が短くなるのです。



また、日本海側で起きる津波の到達時間も非常に短いです。


早いところでは地震の発生からなんと1分以内に津波が到達し、場所によっては平地の津波の高さが10メートル以上になるという想定をまとめています。


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