南海トラフ地震警戒情報

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プレートは消しゴムのように動いている!スティックスリップ現象とは?

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南海トラフ巨大地震の震源


南海トラフ巨大地震の震源域は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいって生まれる、二つのプレートの境界面です。


震源域の東端は、駿河トラフのトラフ軸から陸上の活断層である富士川河口断層帯を結ぶ線としています。


西端については、津波堆積物などの分布から、1707年宝永地震で日向海盆の領域も震源域となった可能性が示されています。


また、フィリピン海プレートの地殻構造が、九州・パラオ海嶺の沈み込む周辺で大きく変化していることから、日向灘の九州・パラオ海嶺が沈み込む地点を西端ラインとしています。



南端は、南海トラフのトラフ軸付近までとされています。これは陸側プレートの先端です。


東北地方太平洋沖地震では、津波や地殻変動の解析から海溝軸付近で大きくずれ動いたことがわかっています。



また、地震後に断層面の掘削調査が行われました。


その結果、断層面の近くで300度から400度の温度を経験したことを示唆するデータが得られ、その温度上昇帯の幅から大規模な動きが推定されています。



北端、すなわち巨大地震の際に深さ方向にどこまでずれ動くかの推定に際しては、「スロースリップ」の発生領域の下端とされました。


スロースリップとは、普通の地震によるプレートのすべりよりもはるかに遅い速度で発生するすべりのことです。



地震調査委員会では、スロースリップが起きる領域まで震源域に含めました。


なお、これより深い領域では、地震を発生せずに定常的にすべっていると考えられています。



震源となる3つのエリア


南海トラフの震源域は、東側から「東海震源域」、「東南海震源域」、「南海震源域」という3つの区分に分けられます。


例えば、1707年の宝永地震は3つが一緒に動きました。


1854年の安政東海地震では東南海震源域と東海震源域が一緒に動き、その32時間後の安政南海地震で南海震源域が単独で動きました。


1944年の昭和東南海地震では東南海震源域が単独で動きました。


3つがすべて一緒に動くこともあれば、1つずつ動くことも、2つが一緒に動くこともあるのです。



政府の地震調査研究推進本部で2001年に行われた南海トラフの地震活動の長期評価では、震源域をこの3つに分け、それぞれの領域で発生する地震の規模と発生確率を評価していました。


しかし、2013年に発表された評価では、この方針が見直され、南海トラフ全域で地震規模と発生確率を評価し、個別の領域については評価しないことにしました。



そもそも3つに分けて評価をしていたのは、3つの領域それぞれについて、いつ、どのような周期で地震が起こるかなどの規則性ざ見いだせて、予測につながるのではないかと期待されたためです。


しかし、歴史の文献や津波堆積物の調査などから、過去の大地震の姿が明らかになっても、規則性は顕著にはなりませんでした。


南海トラフ全体が動くこともあれば、東海と南海が同時に動くこともあり、数時間から数年のずれとともに動く場合もあります。


さらには、例えば東海が動いたとしても、その範囲も一定ではありません。


領域全体としての規則性を算出することはできても、3つの領域1つずつに、規則性を見出すことが難しかったのです。


こうしたことから、3つの区間を別々に評価するのではなく、南海トラフ巨大地震全体を、領域や規模の多様な地震として大きなくくりの中でとらえ、評価していくことになりました。



プレートは消しゴムのように動く


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南海トラフ巨大地震の発生間隔は「約90年~150年」と幅があります。


こうした、曖昧な規則性ですべる現象は、スティックスリップと呼ばれる現象と似ています。


例えば、消しゴムにひもをつけ、紙やすりの上に置いてひもを引っ張ると、しばらくは動かず、やがて動き出します。


その時の消しゴムの動きは、スムーズに滑らず、カクカクとした動きになります。


こうした動きを「スティックスリップ」といいます。



この動きは、付着する状態と、離れてすべる状態が、交互に不規則に繰り返されていることによります。


おそらく、プレートの境界では、とても長い時間スケールでこのような動きが起きていると考えられるのです。


大陸プレートの下に海洋プレートが入っていくとき、スッと入るのではなく、カクッ、カクッと不規則にくっついたりすべったりしながら、全体としては前に進んでいきます。



やっかいなのは、付着している状態とすべっている状態を交互に繰り返しているにもかかわらず、それぞれの時間の長さが、全く同じではないことです。


プレート境界型の地震でも同じことがいえます。


静穏期と活動期を交互に繰り返すことは確かでも、静穏期や活動期がどれくらいの長さなのかわからないのです。


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