南海トラフ地震警戒情報

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日本拡大期にできた断層が再活動する?東北地方でまた大地震が起こる可能性は?

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日本拡大期の断層は再活動する


日本列島はもともとアジア大陸の東端に位置していたのが、日本海ができてアジア大陸から引き離された時にたくさんの断層が形成されました。


その時に動いた断層が今後、震源断層となる可能性が高く、大きく割れているものは活断層として扱われています。



2003年、宮城県北部地震


2003年7月26日にマグニチュード6.4の宮城県北部地震が発生しました。


宮城県南郷町、矢本町、鳴瀬町を中心に多数の負傷者と家屋全壊・半壊の被害が生じました。
f:id:tsukasa-fp:20190310192248j:plain (南郷町)


この地震は、マグニチュードの規模からいっても地表に震源断層が出なくても不思議ではありませんでした。


震源断層は、余震分布の観測と北上山地の西側の重力異常から、西に傾斜した断層が、推定されているものと一致することが判明しました。


日本海が形成された2000万年前から1500万年前に活動した西側低下の正断層が存在し、西側に厚い堆積層が分布していることが調査により明らかになっていましたが、


このときの地震では、断層の西側のブロックが隆起するように逆断層として運動していました。


地質学的にこの断層の存在は推定されていましたが、地震を発生させるような震源断層になるとは予測していませんでした。


つまり、国の調査対象の活断層になっていないような断層でも地震が発生するということです。



仙台市の真下にある断層


仙台市の真下には、長町ー利府断層とよばれる断層帯があります。

もし、ここを震源とする大規模な地震が発生すれば、甚大な被害がもたらされることは間違いないでしょう。



ここでは、2000年に、マグニチュード5と小規模ではあるものの、この断層帯の深部延長で地震が発生しました。


反射法地震探査の結果、断層帯の隆起側にあたる北西側には、日本海の拡大期以降に堆積した地層が厚く分布していることが明らかになり、


かつての正断層が現在は逆断層として動いていることがわかりました。



宮城県北部地震の震源断層と同様、日本海ができる際に東北地方は大きく引き伸ばされました。


引っ張る力でできるのは正断層です。


それがその後圧縮され、現在は逆断層として活動しているのです。



このように、断層が以前とは逆の方向に動くことを「反転運動」といいます。


後に2011年の東北地方太平洋沖地震を起こすことになる地殻変動の影響で、宮城県内のほとんどの活断層が過去100年強の間にずれ動いていました。


幸運にも、長町ー利府断層は割れ残っていました。


マグニチュード9の地震の発生がもう少し遅ければ、この断層もずれ動いたかもしれません。



2007年、能登半島地震


2007年3月25日に、石川県輪島市西南西沖の日本海を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生しました。


穴水町、輪島町、七尾市で最大震度6強を記録し、死者1名と多くの負傷者、多数の全壊・半壊家屋の被害が生じました。


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余震観測や、衛星のデータから、沖合から陸地へと伸びるエリアで地殻変動が起きていたことがわかりました。


その後に実施した反射法地震探査で、深さ5キロメートル程度まで断層面が明らかになり、地殻変動や余震などから推定した断層面と一致しました。


また、能登半島西方沖には、海底活断層があることがわかっていましたが、


地震後の調査により、この海底活断層が活動したことが明らかになりました。



この地震そのものは、既存の断層の再活動であり、かつての日本海形成時の断層が震源断層になっていることが明らかになりました。


実は岩を割ろうとすると、押しつぶすより、引っ張って割る方が3分の1程度の力で済んでしまいます。


つまり、断層をつくるためには、引っ張る方が簡単に割れ目を作れるのです。


さらに一旦できた断層は、周辺の岩石より強度が低下するため動きやすくなります。


こうした背景から、正断層が生まれ、一旦できた断層は何度と活動するようになるのだと理解できます。



新潟県中越地域の2度の大地震


新潟県の中越地域では、2004年の新潟県中越地震2007年の新潟県中越沖地震と2度、大規模な地震災害に見舞われました。

(2004.10.23) f:id:tsukasa-fp:20190311022048j:plain


(2007.7.16) f:id:tsukasa-fp:20190311022517j:plain


この地域は、断層や褶曲などのひずみが特に多数見られる「ひずみ集中帯」として知られ、それが地震続発の原因となったことが考えられます。



この地域の大きな特徴は、「褶曲ー衝上断層帯」と呼ばれる特殊な地質構造にあります。


褶曲とは、地層が大きな力を受けた結果、割れて断層となるのではなく、曲がりくねる形で変形した形状を示します。


衝上断層とは、低角度の逆断層です。


中越地域は、褶曲と衝上断層とが入り組んだ複雑な地下構造となっているのです。



褶曲が発達する地域の一つの特徴は、堆積岩の地層の境界に沿って極めてすべりやすい層が生じ、その上の地層が曲がりくねって変形するようになることです。


このため、逆断層によるずれがこうしたすべりやすい地層中で低角度となり、地表には断層が現れにくくなります。



こうした特異な地質構造の要因となっているのが、佐渡島から越後山脈の間に形成された、新潟平野を含む最大厚さ約7キロメートルに達する分厚い堆積層の存在です。


この地域は、日本海が形成される時に地殻が引き伸ばされて深い割れ目が入り、大規模な溝が形成され、そこに大量の玄武岩が噴出しました。


その後に運ばれた堆積物で埋め尽くされ、厚い堆積層が形成されました。



新潟平野で、越後山脈と同じ硬い岩盤が出てくるのは地下7000メートルです。


地震が発生した際に、震源断層となるのは堆積層の下の岩盤の部分です。


そのため、中越地域のように分厚い堆積層に覆われた地域で、反射法地震探査によって震源断層を知るには、通常よりも地下深くまで進んで調査しなければなりません。



また、2004年の新潟県中越地震と、2007年の新潟県中越沖地震の震源域は北北東ー南南西方向に向いていますが、


南端にそれを横切る西北西ー東南東方向の断層があるために、それ以上は動きません。



大規模な溝が形成される場合、引っ張っている方向でどのくらい伸びるかという量は規制されますが、


引っ張りの方向と垂直な方向では、同じ箇所に断層が入る必然性はなく、


横断方向の断層が形成されて、断層が形成される場所がずれていくという変形になります。


断層の再活動については、古い断層が引き継がれることになり、日本海が形成される時の構造が、発生する地震の規模にも影響を与えていることが明らかになりました。



2008年、岩手・宮城内陸地震


活断層の評価や認定のあり方に大きな問題を投げかけた地震の例として、「岩手・宮城内陸地震」があります。


2008年6月14日に、岩手県南部を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生しました。


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この地震の震源域の北部では、出店断層と呼ばれる活断層の存在が明らかになっていました。


そして、反射法地震探査により、出店断層も含めた4つの断層が、ドミノのように並んで入っていることが示され、


震源となったのは、4つの断層のうち最も内陸側の、山地と平野との境界部分に位置する断層であり、もともと正断層だったものが逆断層として動いたことがわかりました。



また、震源域の中部では、地震前には活断層の存在が認められていなかったが、反射法地震探査により、山地と平野の境界部分に断層が存在していることがわかりました。


つまり、山地と平野の境界部分の、それまで活断層がはっきりと認識されていなかった部分が震源となっていたのです。



岩手・宮城内陸地震の震源域では、山麓が火山噴出物で覆われて見つけにくく、活断層は知られていませんでした。


しかし、よく考えてみれば、同じ高さの山脈で、ある山には活断層があって山を持ち上げていて、ある山には何もないというのはおかしいです。


一連の地形の高まりがあって、その地形が断層運動によって形成されているとき、


一部にしか活断層が見えないというのはかなりおかしな話なのです。


これでは地形的な高まりについての説明ができません。


むしろ、何らかの原因で活断層は見えないけれど震源断層はあると判断すべきなのです。



東北地方で大地震が発生する可能性はあるのか?


東北地方の地下には、日本列島形成時にできた正断層が数多く存在しています。


そこにユーラシアプレートが太平洋プレートと押し合う力が働くことで、かつての正断層が逆断層として動き、いくつもの地震が発生してきました。



2011年の東北地方太平洋沖地震は、活断層型ではなくプレート境界型の地震です。


押し合いながら均衡を保っていた太平洋プレートとユーラシアプレートの力の働きが限界に達し、プレート境界に沈み込んでいたユーラシアプレートが、跳ね上がって伸びるような動きをしたと考えられます。


実際に、地殻変動のデータを見てみると、東北地方は地震後に数メートル太平洋側に引っ張られていました。


つまり、押し合うことで生まれていたひずみは解放されたと考えることができるのです。


活断層型とプレート境界型の地震は、全く別の種類の地震だと思われがちです。


しかし、どちらもプレートで働いている力が原因で発生していることには変わりはないのです。