南海トラフ地震警戒情報

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地震を発生させるのは活断層ではない?

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伏在活断層とは?


地震は群れをなして発生します。


2011年の東北地方太平洋沖地震の約一ヶ月後に福島県浜通り地震(M7.0)が発生しました。


マグニチュード9の超巨大地震が発生し、内陸地震も立て続けに起きたのです。


戦後に起きた地震の中では、この東北地方太平洋沖地震が起こるまでは、犠牲者の数は兵庫県南部地震が最も多く、


次に1948年の福井地震が多かった。


しかし、どちらの地震も実は被害が大きかった平野部では明瞭な地震断層は現れていません。


そのため、活断層のトレンチ調査では、断層の情報を得ることができません。



このような地表に出ないタイプの活断層を「伏在活断層」といいます。


問題なのは、こうした地表に地震断層が出現しないタイプの震源断層について、


どうすれば事前にその断層を予測することができるかという点です。



反射法地震探査で地下を探る


地下の地質構造を詳細に描き出す方法として、反射法地震探査と呼ばれるものがあります。


これは、地下の構造を、断層や褶曲という地質構造として、理解できる精度で描き出してくれる方法です。


イメージとしては、赤ちゃんの超音波診断(エコー)みたいなものです。


ただ、相手は赤ちゃんではなく「地球」ですので、道具立てが大きくなります。


地表の人工的な震源から地震波を地下に投射し、地下の地層境界や断層などから跳ね返ってくる波を使って、地下のイメージングを行います。



反射法地震探査は、もともと、石油や天然ガスを掘削する際、事前に地質構造を知る手段として発展してきました。


石油資源は戦争の原因にもなるほどの重要性を持っています。


しかし、掘削コストは膨大なため、事前の調査で掘削位置や深さがわかれば、多額のコスト削減につながります。


そのため技術開発には膨大な資本と人材が投入されてきたのです。


ちなみに、人工的に揺れを起こす装置には、陸上では「バイブロサイス」という油圧式の大型バイブレーターが使用されます。



地殻探査にも応用


1970年代には、地殻構造探査にも反射法地震探査が応用され、深さ30キロメートルを超える範囲の深さまでをイメージするための方法として使用されるようになりました。


きっかけとなったのが、1974年にアメリカで開始されたCOCORP計画という大規模探査でした。


この結果、アパラチア山脈では低角の逆断層が発見され、また、、ワイオミング州のウインド・リバー断層が低角の逆断層であることが明らかになりました。



これは、ロッキー山脈を形成させたララミー変動という造山運動に関連する断層運動が、正断層か逆断層かという、当時の地質学にとって大きな論争に最終的な決着をつけることになり、地質学における反射法地震探査の優秀性を全世界に知らしめることとなりました。


以後、世界各国で反射法地震探査に基づく大規模な調査が行われ、全世界の地下の構造が次々と解明されました。



活断層についての課題


活断層というのは、地震の結果として現れる地表地震断層が累積して特有な地形や地質から認識されるものです。


地震を発生させるのは、活断層ではなく、震源断層です。


大規模な地震を経験して、必ずしも想定していたような地表地震断層と震源断層の関係が成立していないことが明らかになってきました。


たとえば、震源域で期待するような地表震源断層が広く出現したわけではありません。



その原因についても議論はあります。


1995年の兵庫県南部地震のように厚い堆積物が分布しているとか、2000年の鳥取県西部地震のように原因がわからないものもあります。


新潟県の中越地域の地震の場合は褶曲帯であり、複雑な変形が出現します。


また、火山噴出物に覆われる地域では断層によるずれが認識しにくくなります。



このように、震源断層と活断層は一つのシステムを作っていますが、活断層は必ずしも、形状を変化させずにそのまま震源断層に連続するとは限りません。


地球科学的な知見を総動員して、システムを理解していくことが重要な課題となります。



活断層は繰り返し活動する


活断層の特性の一つとして、繰り返し同じ断層が動くという点があります。


その証拠は、発掘調査や段丘面のずれなど、地質学的には「たかが数万年」の間の出来事から確認されます。



反射法地震探査などの結果から明らかになったのは、現在活断層として認識されているものの多くが、


現在とは力のかかり方が異なる地質時代に形成され、それが再活動しているものであるということでした。



例えば、熊本地震の際の布田川断層の動きについて、


北に60度傾斜した断層がほぼ横ずれ断層としてずれ動いたことが、地殻変動から明らかになっています。


この断層の形状は、以前に推定していたものと一致し、正断層として形成された断層が横ずれ断層として再活動したことを示しています。



震源断層の多くは、その断層が形成された地質時代の構造運動を反映しています。


ある断層ができると、同時にそれを横断する方向の断層も形成されるため、現在の断層の大きさ、つまり発生する地震のサイズも決まります。


さらに地質時代に大きなずれを経験した断層は、断層面がなめらかになって動きやすくなっていることもわかっています。


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