南海トラフ地震警戒情報

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地震が頻発すれば、巨大地震の歪みは解放される?簡単なマグニチュードの計算方法!

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P波とS波


地震の揺れは、地下の岩盤がずれ動くことで引き起こされます。


地面を掘り進むと、とても硬い岩石のかたまりにぶつかります。


これが岩盤です。



その硬い岩盤が、ある時突然、ずれ動くのです。


地殻の岩盤がずれ動き始めた地点が「震源」です。


岩盤が動いたエネルギーは、震源地を中心に、四方八方のあらゆる方向に波となって伝わっていきます。


それが地表に届いたときに、地面を揺らし、地震となるのです。



震源から発生する波には、P波S波の2種類があります。


P波は、波の進行方向と同じ向きの震動を伝えます。
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S波は、波の進行方向に垂直な向きの震動を伝えます。
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P波はS波よりも速度が速いので、まずP波が先に地表に到達し、その後、少し遅れてS波が到達します。



P波とS波の到達時間の差を利用したのが、緊急地震速報のシステムです。


揺れによる被害をもたらすのは、後から伝わるS波なので、先にP波を検知していち早く警報を発するシステムです。



現在、全国220カ所に置かれた地震計と、全国800カ所に置かれた高感度地震計が地震を捉えています。


しかし、震源から近いほど2つの揺れが到達する時間差が縮まるため、緊急地震速報が届くのと揺れが始まるのが同時という事態も起こります。


複数の地震計が揺れを感知するとシステムが作動しますが、偶然別の地震が同時に起きたりすると、誤作動の原因となります。



原則的に、揺れは震源に近い地点ほど早く到達します。


しかし、伝わる速度は常に同じとは限りません。


波は硬いものほど速く伝わり、軟らかいものほど遅く伝わるという性質があります。


また、P波は個体も液体も気体も伝わりますが、S波は個体だけにしか伝わりません。



地下の状態の違いに、こうした性質の違いか加わって、各地点に揺れが到達する時間に違いが生まれます。


地震が発生した際には、多数の観測点での初動の到達時刻や、地震波速度構造を加味しながら、震源が決められます。


また、こうした性質を利用して、地表のたくさんの地震観測点がとらえた波形を使って、地下のどのような場所で速度が速いのかという、地下の速度構造が求められるようになりました。



地震の規模


地震の規模には、「マグニチュード」と「震度」があります。



例えば、電球のワット数はその電球が放つ光のエネルギーの大きさのことを言います。


この光のエネルギーが大きければ、当然電球は明るくなります。


しかし、電球から距離が遠ければ明るさは弱くなり、近ければ強くなります。


同じように震度も、震源から近いほど強くなり遠ければ弱くなります。



ワット数の小さな電球を使ったとしても、間近で光を見るとかなり眩しいです。


それと同じように地震も、マグニチュードが小さくても、間近で起こるとかなり揺れることになるのです。



マグニチュードは1増えると32倍のエネルギーになる


ただ、このワット数とマグニチュードには大きな違いがあります。


例えばワット数だと、60ワットの電球は40ワットの電球の約1.5倍ですが、


マグニチュード6.0の地震は、マグニチュード4.0の地震の約1000倍のエネルギーになるのです。


つまり、マグニチュード4の地震が1000回起きてようやくマグニチュード6の地震1回に匹敵するということです。



よく地震がたくさん発生すれば、巨大地震の歪みが解放されると聞きます。


計算の仕方は簡単です。
マグニチュードが1増えれば32倍ですので、2増えれば32倍×32倍、3増えれば32倍×32倍×32倍となります。


例えば、南海トラフ巨大地震がM9.0で発生すると仮定して、その歪みをすべて解放するためには、どれほどの地震が発生しなければいけないのでしょうか?


M1の地震=約1兆回以上
M2の地震=約340億回以上
M3の地震=約10億回以上
M4の地震=約3300万回以上
M5の地震=約100万回以上
M6の地震=約3万2000回以上
M7の地震=約1024回
M8の地震=約32回


こうして見てみると、まったく現実的ではないことがわかります。


100年~150年程度の周期の間にM8の地震が約32回も発生しなければ、解放されないのです。


比較的頻繁に起こりうるM5程度の中規模地震でも、100万回以上も起こらなければ歪みは解放されないと計算できるのです。



また、実際の地震ではマグニチュードは小数点以下1ケタで発表されます。


マグニチュードが0.1増えればエネルギーは約1.4倍、0.2増えれば約2倍になります。



一方、震度の尺度は、人の体感や屋内外の状況などにより、


0、1、2、3、4、
5弱、5強、6弱、6強、7

の10段階で判断されます。


以前は「弱」や「強」といった分け方はなく、単純に0~7の8段階でした。


しかし、1995年の阪神・淡路大震災の際に、同じ震度だったにもかかわらず場所によって被害が大きく違ったことなどから、5と6に「弱」と「強」という2段階を設けてさらに細かく区別するようになりました。


また、阪神・淡路大震災の時と同じように同じ震度でも被害がまったく異なった例がありました。


それが2016年の熊本地震で、前震、本震と両方で最大震度7を観測したにもかかわらず、本震での被害が特に大きかったのです。


二回続けて震度7を経験したことが原因とされていますが、最初に観測した震度7よりも二回目の本震で観測した震度7の方が明らかに揺れは強かったのです。


正式に発表される震度は同じ7ですが、体感的には、熊本地震の前震は震度7弱、本震は震度7強と表現することもできるのです。