南海トラフ地震警戒情報

自ら四国沿岸部へ移住し南海トラフ地震の観測、研究をしています。南海トラフをはじめ、その他の巨大地震などを潮位、地殻変動、マグマ、火山活動や静穏化現象などの様々な異常を総合判断し、警告します。 ※人的被害を減らすのが目的で、予言などではありません。


なぜ地震は浅いところで起こるのか?地下では何が起きているのか?

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本震が最大とは限らない


2016年に発生した熊本地震では、熊本県のシンボルである熊本城の有名な石垣が崩れ、屋根瓦が崩落し、櫓が倒壊しました。


南阿蘇村では大規模な土砂崩れが発生し、全長200メートルの阿蘇大橋が崩落しました。


震度7の地震に2度見舞われた益城町では、多くの建物が倒壊してしまいました。



この地震の大きな特徴として指摘されるのは、地震が次々と連鎖していったことです。


2016年4月14日、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生。


その後の約1ヶ月の間に、震度1以上を観測する「有感地震」が約1400回、震度3以上の地震が300回以上発生しました。



さらに、連鎖した地震の震源はかなり広範囲にわたっていました。


多くの地震は熊本地方が震源ですが、大分県中部でもマグニチュード5.4、最大震度5弱の地震が観測され、その後も地震活動が続きました。


気象庁ホームページより
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14日~20日までに観測した震度5弱以上の地震



一連の地震の中で最も大きな衝撃を与えたのが、最初の地震から約28時間後の4月16日にそれを上回るマグニチュード7.3の地震が発生したことです。


益城町での建物の崩壊や阿蘇大橋の崩落なども、最初の地震ではなく、このときの地震により起きています。


大規模な地震が発生した後しばらくの間、その近辺を震源とする地震が続くことは過去の地震の経験から多くの人々が認識しています。


しかし、最初の地震が最も大きな「本震」であり、その後に発生するのは「余震」なので本震の規模を超えることはないという思いこみがありました。


熊本地震はこうした人々の常識を覆すものでした。



なぜ内陸地震は浅い所で起こるのか?


地球の表面、地殻とマントル上部を「プレート」といいます。


地球を卵に見立てたとき、卵の殻にあたるのがプレートです。


白身がマントル、黄身が核というようなイメージです。



このプレートは地球上で十数枚に分かれていて、日本列島に地震が多い理由は、複数のプレートがひきしめ合う位置にあるためです。


日本列島がのっかっている陸のプレートには、海底をつくる海洋プレートが沈み込んでいます。


その境界で起こるのが「プレート境界型地震」で、プレート内部で起こるのが「内陸地震」です。
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日本列島では、2011年の東北地方太平洋沖地震や、1923年に関東大震災を引き起こした大正関東地震のような「プレート境界型地震」と1995年の兵庫県南部地震や熊本地震のような「内陸地震」が発生してきました。


こうした内陸地震は、海溝型の地震に比べ規模は小さいですが人々の住む街の直下で発生するため甚大な被害となります。




地球の表面は「地殻」と呼ばれる厚さ30キロメートルほどの岩盤に覆われています。


その下には、300キロメートルほどの厚さでマントルが広がっていて、地殻はこのマントルに重なって分布します。



地震は、地殻の岩盤が力を受けて割れる時に発生します。


日本列島の地下で地震が発生する部分は、地下15キロメートルほどまでであり、この層を「地震発生層」と呼びます。


それより下では水飴のように変形してしまうため、陸の地殻を形成する岩石は温度が350度を超えると地震は起きないと考えられています。
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地震によって岩盤がずれ動いた状態を「断層」といいます。


断層は、地震の規模が大きいほど拡大し、地震発生層を突き抜けて地表に割れ目が生じることもあります。


断層は一度動くと繰り返しずれ動く性質があります。


そのため、周囲の岩石に比べて脆いのです。


地殻に力がかかると、ひずみが蓄積し、限界を超えると断層がずれ動き地震が発生します。



地震のとき岩盤では何が起きているのか?


地下の岩盤には、プレートの動きなどの影響を受け、様々な力が作用しています。


物体に外から力が加わる場合、それに応じて内部に力が発生します。


これを「応力」といいます。



断層を挟んで2つの岩盤が接し、それぞれの岩盤に異なる向きの力が加わると、岩盤は引っ張られたり、圧縮されたりして徐々にひずんでいきます。


そのひずみがある限界を超えると、岩盤は壊れやすい断層面に沿って破壊され、割れながらひずみを解消しようとする方向にずれ動きます。


これが「地震」といわれる現象です。



また、この岩盤への力の働きかたは全て同じとは限りません。


そして当然、その力の働き方の違いによって断層のずれ動き方も変わってきます。


「正断層」、「逆断層」、「横ずれ断層」という違いが生まれるのはこのためです。



地震は被害を及ぼす恐ろしいものですが、人間の力では調べることのできない地下深部の応力の状態や、地震波が通過した経路の岩石の性質や状態について、貴重な情報を提供してくれます。


地震を多数の地点で観測すると、その波形の空間分布の特徴から、


どのような応力が作用して岩盤の破壊に至ったのかを知ることができます。



地震が発生するごとに、地表近くでずれが累積していくと、地形や地質に特徴が見られるようになるため、そこが断層と認識されるようになります。


こうして、将来も活動し地震を発生させる断層が「活断層」として認定されるのです。



また、その活断層の特徴を調べることによって、将来同じ場所で発生する地震の特徴も推定することができます。


1995年の阪神・淡路大震災後に、政府に地震調査研究推進本部が設置され、活断層の特徴を基に内陸地震の規模や発生確率などが予測されるようになりました。