南海トラフ地震警戒情報

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主要な活断層の少ない山陰地域でなぜ大地震が頻発しているのか?

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鳥取県中部地震はなぜ起きたのか?


2016年10月21日に、鳥取県中部を震源とするM6.6の地震があり、倉吉市と湯梨浜町、北栄町などで震度6弱を記録しました。


この地震は同年に発生した熊本地震のM6.5とほぼ同じ規模で、同じ横ずれ断層型でした。


しかし、被害の大きさは震度7を2回も記録した熊本地震に比べてきわめて小規模です。


この差は地盤の違いによるものが大きいと考えられます。


鳥取県中部地震の震源地は硬固な花崗岩地域でしたが、熊本地震の震源地周辺には阿蘇カルデラからの火山性堆積物が厚く堆積していて、揺れが増幅されました。



この鳥取県中部の地震でも、2015年の10月頃から中規模の地震が増え始め、本震の約2時間前には震源付近でM4.2の地震が起きました。


倉吉市付近では、1943年鳥取地震(M7.2)の大きな余震も起き、その後も地震活動が比較的活発でした。


内陸地震の余震は数十年以上続きますが、そのくすぶりが続く中で起きた地震ともいえます。



中国地方には、山口県から京都府北部にかけて地震活動の活発な地域が帯状に分布します。


鳥取県もその地震帯の一部で、意外にもふだんから地震が多い地域です。


被害地震に関しても、1943年には鳥取市を震源とするM7.2の地震、2000年にはM7.3の鳥取県西部地震が発生しています。


とくに、1943年の鳥取地震は鳥取市で1083名の死者、全壊家屋7485棟という大規模な被害をもたらしました。


この地震では長さ5キロメートルの吉岡断層、長さ8キロメートルの鹿野断層という活断層が動き、最大1.5メートルの右横ずれが生じました。



なぜ活断層の少ない地域で地震が頻発するのか?


山陰地域では、その他にも1872年にM7.1の浜田地震、1925年にM6.8の北但馬地震、1927年にM7.3の北丹後地震など多くの被害地震が発生しています。


ごく最近では、1997年6月25日にM6.6の山口県北部地震も発生しています。



これらの地震の特徴は、北西・南東方向の圧縮力による横ずれ断層型です。


しかし、その圧縮をもたらす原動力はまだよくわかっていません。


一部のマスコミでは「今回の地震のメカニズムは、フィリピン海プレートによる南からの押しの力」と解説がありましたが、それだと、なぜ南海トラフに近い山陽地域よりも山陰で地震が多いのかが説明できません。



また、山陰地域には主要な活断層が少ないのに、なぜ大地震が多く発生しているのでしょうか?


その理由としては、多くの小さな活断層が地下に隠れている可能性が考えられます。


中国地方には花崗岩が広く分布しています。


花崗岩は基本的に硬い岩盤なのですが、風雨に長期間さらされると表面が風化してマサといわれる砂になります。


マサは山口や広島で多い土砂災害の原因にもなっています。


この風化作用のため、断層が出現してもそのうちマサとなるので、断層変位地形が消失し、活断層が見いだされにくいのです。



もうひとつ考えられるのが、山陰地域は長期間蓄積した歪みを解放するシステムができていないということがあげられます。


短い活断層は散発的に存在しますが、近畿や中部地域に見られるような数十キロメートルもある大きな活断層は存在しません。


基本的に、広域に蓄積した歪みは大きな活断層がないと効率的に解消されません。


1つ長大な活断層があると、そのごく周辺には他の活断層は不要なのです。


短い活断層が多数あったとしても、山陰地方のように大きな断層がないところでは歪みが解消されにくいのです。


このような地域では地震は頻発しますが、地震規模としてはM7.5を超えるような極端に大きな内陸地震は考えにくいです。


鳥取県中部地震を引き起こした「隠れた活断層」は、どこにでもあるわけではありません。


M6.5以上の被害をおこす地震は、まったくでたらめに起きるわけではないのです。


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