南海トラフ地震警戒情報

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地震サイクルを把握すれば、次に危険な活断層がわかる!

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地震予測の大きな問題点


活断層はどの程度周期的に動いているのか、また、活動時の規模はどのくらいまで予測可能なのでしょうか。


個々の活断層の活動について、地形・地質調査で平均像は把握できますが、具体的なところでは不確実なことが多いのが現状です。


たとえば、熊本地震の場合、発生直前の30年以内に発生する確率は「ほぼ0~高くても0.9%」ときわめて低く評価されていました。



地盤評価に関する不確実性として、調査データ取得の限界によるものがあります。


たとえば、わずか数カ所の深さ数メートルのトレンチ調査では、過去の大地震の痕跡をすべて解明することはできません。


あくまで、断層の一部分のみを調査して評価したものだということです。



もう一つは、活断層や地震現象そのものが持っている「気まぐれさ」のようなものがあります。


自然現象は平均的な周期はあっても、機械のように毎回その周期通りに動くということはまずありません。


膨大な調査データを得て不確実性を減らしたとしても、そのような地震現象特有の不確実さを減らすことはできません。


また、現状では調査データが増えれば増えるほど断層運動の複雑性が顕在化しています。



地震本部の確率は正しい数値ではない


地震本部は日本全国すべての活断層で、変動係数αを一律0.24としています。


変動係数は正規分布の標準偏差に相当するため、α=0.24だと、平均活動間隔が1000年の場合、大多数の地震が1000年プラスマイナス240年の活動間隔で発生するということを意味しています。


完全ではないけれど、「準」周期的な動きをするという大前提で計算しているのです。



しかし、最近の調査結果をみると、活動間隔はバラついていて、変動係数はもっと大きいことが示されています。


さらに、活断層ごとに個性や地域性があることも指摘されています。


また近接している断層間の相互作用が周期性を乱す可能性も考えられます。



政府の地震本部は、確率論的地震動予測地図を毎年更新しています。


しかし、改善するために手法やパラメータを変えたくても、突然更新すれば確率値が前年から大きく変化します。


混乱を来す可能性があり、防災や都市計画の変更を余儀なくされることを嫌って、手法やパラメータ値の改善がなかなか図られないというのが現状なのです。


つまり、最新の科学的知見がうまく活かされていないのです。



余震は数十年も続く?


現在日本列島には約1000ヶ所以上に地震計が設置され、M0.5前後までの微小な地震を検知することができます。


地表で見られる活断層の地下で、どのような地震活動が進行しているのかを詳しくモニタリングすることができるのです。



その中で注目したいのが、過去数年~20年程度の間に大地震を起こした震源域周辺でいまだに微小地震が多いということです。


つまり、人間には感じない微小な余震がいまだに続いているということがわかるのです。



また、1995年に阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震はすでに20年以上経過していますが、実は微小な余震はまだまだ続いています。


そして、2013年4月13日に発生した淡路島中部を震源とするM6.3の地震が発生しました。


この地震は、兵庫県南部地震の余震域の南端で発生しているため余震のひとつと考えることもできます。


18年後にM6クラスの最大余震が生じたという見方もできるのです。



このような、地震観測によって確認される余震が続く期間を、余震継続時間といいます。


活断層型の大地震による余震継続時間は、20年以上であることは明確で、数十年程度は続きます。


120年以上前に発生した濃尾地震の余震がまだ継続していると指摘する研究者もいるほどです。



余震継続時間は活動間隔に比例する


これはどうゆうことかと言うと、
まず海溝型地震の場合も、海底の活断層の集合体であって、内陸の活断層と同じです。


たとえば、東北地方太平洋沖地震は例外的に複数の地震が連動し、超巨大地震となりましたが、その前は1793年以降M7.4前後の地震が平均37年間隔で発生しています。


ここで、先ほどと同じように「余震が数十年も続く」と大地震発生間隔を上回るということになります。


余震が収まっていないのに、次の地震が発生するというサイクルを繰り返すのはおかしいです。


そこで実際に1978年に発生した宮城県沖地震(M7.4)の余震を調べてみると、その継続時間は2年程度だったのです。


余震継続時間は活動間隔の20分の1です。


つまり、余震継続時間は震源断層の活動間隔に比例するということが明らかになったのです。



別の言い方をすると、歪みの蓄積するスピードに反比例するとも言えます。


プレート境界など、歪み速度が速い地域では、地震の発生頻度は高いですが、余震は短期間で収束するということです。


注意したいのは、M7.4の宮城県沖地震の余震が2年で終わったのに対し、同規模程度の兵庫県南部地震の余震はいまだに続いているという事実からも証明されている通り、余震の継続時間はマグニチュードに比例するわけではないということです。



地震サイクルで危険な活断層を見分けられる?


大地震と大地震の繰り返しを「地震サイクル」と呼びます。


1つの地震サイクルの最初の20分の1~5分の1に余震活動が続くことは、観測データから明らかになりました。


日本のように過去数百年の歴史地震記録があれば、活断層沿いの地震分布の特徴から、余震かどうかの判断ができる可能性があります。


この余震継続期間の後、震源断層面が固着し、地震活動は長期にわたって静穏化すると考えられています。


問題は、次に大地震が発生する時に再度何らかの活発化が見られるのかどうかです。


つまり、静穏期間後に次の地震が発生するならば、先行現象として何らかの活動があるのかどうかです。



仮説の部分も多いですが、活断層の地震サイクルとしては以下のように考えられています。


本震発生→余震期間→静穏期間
→前駆的活動期→前震期→本震発生


このようなサイクルで考えると、1000年から数万年におよぶ活断層の地震サイクルはいくつかのステージに区分できます。


現在の地震活動がどのステージに当たるのかが判断できれば、当面安全な活断層と次の地震が切迫している危険な活断層を見分けられる可能性があるのです。


つまり、明確な余震活動が続いている活断層は、すでに歪みを解放したため、現時点では本震の発生確率はきわめて低いともいえます。


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