南海トラフ地震警戒情報

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人工地震波による活断層調査とは?活断層はどこまで解明されたのか?

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活断層とは?


日本列島では2000以上に及ぶ活断層が推定・確認されています。


では、その活断層とはどのように定義されるものなのでしょうか。


「活断層」は過去(数万年~数百万年)に繰り返し活動し、将来も活動することが推定される断層のことをいいます。



また、断層を研究対象とする研究者には、地質学者、地震学者、地形学者の3種類があります。


地質学者はおもに野山を歩いて調査をします。


その際に第四紀の軟らかい地層が、断層という不連続面でずれている露頭に遭遇します。


これが先ほどの定義からすると活断層なのですが、実際には地滑り面や、液状化によって土塊が移動することによって生じた断層、地下に続かない表層の現象なども多いのです。


断層として大小のずれをともないますが、必ずしも地下数キロメートルまで延びて地震を引き起こすわけではありません。


このような地震の発生に直接関係しない断層を、ノンテクトニック断層といいます。



一方で、地震学者の多くは「活断層」というと、大地震の原因となり、地表から地下数キロメートル~20キロメートルまで連続すると考えます。


地表の活断層は地下の震源断層の原因ではなく結果だと主張する地震学者もいます。


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(ずれ動いた断層)


また、地形学者による変動地形解析は、露頭よりもスケールが大きく、地震学者の視点と似ています。


しかし、断層を地震の原因としてではなく、地形発達の原動力のひとつと捉える研究者が多いのも事実です。


活断層研究者が、すべて内陸地震の研究をしているというわけではないのです。



活断層は昔と逆に動いている?


活断層はまんべんなく分布しているわけではありません。


分布に濃淡があり、全体的にはプレート境界から一定の距離を隔てて内陸側に集中する傾向があります。


関東から九州にかけて日本最大級の活断層、中央構造線がありますが、西南日本ではとくにこの中央構造線よりも海側には活断層はほとんど分布しません。



北海道・東北地方では、逆断層、横ずれ断層が混在しており、フィリピン海プレートの上に乗る伊豆半島には、横ずれ断層が多く発達しています。


また、九州は列島内でも特殊な環境下にあります。


別府から島原にかけて地殻が南北方向に引っ張られていて、火山地帯に沿って多くの正断層が発達しています。


火山地域に分布する断層は個々には短いのですが、数が多く、密集して分布する傾向があります。



活断層のなかには、第四紀になって新たに生じた断層もあります。


しかし、大規模で活動が顕著な活断層は、第四紀より前に誕生した断層がいったん休止した後に再び活動したものです。


わかりやすく「古傷が再発した」とも表現されます。



岩盤を新たに破壊して断層を作るのにはものすごいエネルギーを消費しますが、すでにある断層を動かすためには、破壊よりも摩擦に打ち勝つエネルギーだけで事足りるからです。



この断層の再活動では、断層が逆に動く場合もあります。


これを反転テクトニクスといいます。



東北地方では、約2300万~500万年前の地質時代に日本海が形成・拡大し、それにともなって地殻が引っ張られ、多くの正断層が形成されました。


その正断層が第四紀になって東西から圧縮されるようになると、その圧縮力を解消するように逆断層として動いているのです。


2004年の新潟県中越地震や、2007年の能登半島地震、新潟県中越沖地震などは、そのような反転テクトニクスによる地震でした。



中部地方から中国地方の横ずれ断層にも、そのような反転テクトニクスが確認されています。


たとえば、四国から紀伊半島に分布する中央構造線は現在「右横ずれ断層」ですが、数千万年前以前には「左横ずれ断層」だったと考えられているのです。


主要な活断層は単純に再活動するわけではなく、むしろ過去とは反対に動いているものが多いということがわかってきたのです。



活断層を探す方法とは?


現在までに確認されている活断層の多くは、地形や地表での地質調査結果に基づいています。


一部には、地表からは見つからなかったのに、地下探査によってその存在がわかった活断層もあります。



地表に断層が残らない理由は、断層を隠してしまうような地表での侵食、堆積作用が起きるからです。


とくに新しい地層が厚く堆積している平野部や内陸盆地では、断層の平均変位速度よりも地層の堆積速度が上回るため、断層地形が地表に残りません。


また沿岸海域でも海底に潜って調査することはできないので、海底探査は不可欠です。



活断層を探すためには、物理探査法も用いられます。


地下の地震波速度、電気抵抗、重力、磁気などを測定し、地下の地質構造や岩盤の特性を把握する方法で、もともと資源探査で発達してきた方法です。


断層調査の場合も、鉱物資源と同様に、地質構造を推定し断層を探すことが基本です。


そのうえで、探査精度が高い場合は、断層の形態、断層に沿う地層のずれ、破砕帯の性状や幅などの推定にも使われます。



物理探査法で最も一般に用いられるのが、反射法地震探査です。


地表から人工的に振動を起こし、その人工地震波が地下から跳ね返ってくる性質を利用して地質構造を調べる手法です。


多数の地震計を一直線上に配置させて同時に波形を記録し、重ね合わせる処理などを行って、地震波の速度が急変する面の深さと位置を探ります。



このときに用いる人工震源はダイナマイトが多いですが、重りを落下させたり、鉄板をハンマーで叩いたり、油圧で振動させたりする方法もあります。


震源のエネルギーが大きいほど地下深くまで探査可能ですが、その発震周波数も重要になります。


高周波数の波は地下浅部を精度良く、低周波数の波は地下深部を捉えるのに適しています。



大阪平野では多数のボーリング調査との組み合わせで、地下での上町断層帯の動きが推定されています。


上町断層帯は年間に約0.4ミリメートルの上下変位速度で活動してきたことがわかっています。


平均活動間隔が約8000年と推定されているので、地震発生時には約3メートルの縦ずれが生じることになります。



反射法地震探査では、地表から地下へ上下に地震波が往復するため、低角度の断層面は検知しにくくなります。


横ずれ断層は90度の傾斜を持つ場合が多いのですが、四国東部の中央構造線を調査すると、北に30度程度で傾斜するイメージが得られました。


地下3キロメートルの深さまで、三波川変成岩という約1億年前に生じた岩石に、和泉層群という堆積岩や花崗岩が30度くらいの傾斜で乗り上げているのです。


地形の特徴やトレンチ調査からは、中央構造線断層帯は右横ずれ断層とわかっています。


そのため、探査で推定されるこの物質の境界が、地表から連続する中央構造線断層帯なのか、それとも探査で検知できていない高角度の断層なのか、まだわかっていません。



海域の場合は、海底を直接揺らすのではなく、海中で音波を発する音波探査を行います。


高周波の音波を使い、海底に堆積した地層の詳細な構造を解明します。



海域での人工震源は、電磁的な振動を使うもの、水中放電によるもの、水を高速放出するものや、高圧圧縮空気を使うものなどがあります。