南海トラフ地震警戒情報

自ら四国沿岸部へ移住し南海トラフ地震の観測、研究をしています。南海トラフをはじめ、その他の巨大地震などを潮位、地殻変動、マグマ、火山活動や静穏化現象などの様々な異常を総合判断し、警告します。 ※人的被害を減らすのが目的で、予言などではありません。


白頭山の巨大噴火前後に南海トラフ地震が誘発される可能性がある

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白頭山の巨大噴火


日本を取り巻く近隣諸国の火山にも危険なものがあります。


その中でも巨大噴火を繰り返してきた活火山として最も有名なのが、北朝鮮と中国の国境にある白頭山です。



この火山は、中国側では「長白山」と呼ばれており十大名所の1つに数えられ、国立公園にも指定されています。


一方、北朝鮮側では、金正日総書記の生地ともされていることなどから「聖なる地」といわれています。


その白頭山が1100年前、有史以来では最大という巨大噴火を起こしたのです。



ちなみにこの時代には日本でも青森と秋田の県境にある十和田火山が大噴火を起こしています。


地層に残された火山灰をくわしく調べると、高温の火砕流が東北地方北部を埋め尽くし、焼け野原にしたことがわかりました。


その約30年後に白頭山が、それよりも大規模な噴火を起こしたのです。



世界中の噴火の歴史を調べても、このときの白頭山の噴火を上回るものは、その後には発生していません。



白頭山噴火では何が起きたのか?


噴火の際、白頭山の山頂から火柱が立ち昇り、上空25キロメートルまで火山灰を噴き上げました。


それとともに800度ほどの高温の火砕流が噴出し、火口から半径100キロメートルの地域にまで流れ下りて、一帯を焼き尽くしたのです。



さらに、大量の火山噴出物が川を氾濫させ、大規模な土石流が麓を襲いました。


その結果、4000平方キロメートルを超える森林が破壊されました。



山頂から大量のマグマが出た結果、火口には「白頭山カルデラ」と呼ばれる、周囲2キロメートルの大きな凹地ができました。


このとき噴出したマグマの量は、西暦79年に古代ローマのポンペイを壊滅させたヴェスヴィオ火山のマグマの約50倍にも相当するものだと言われています。



そして、巨大噴火が起きると、火山灰は空高く舞い上がります。


アジア上空では偏西風という強いジェット気流がたえず吹いているため、それに乗った大量の火山灰は日本海を1000キロメートル渡って、北海道と東北地方に達し、そこで5センチメートルも降り積もったのです。

かつて北海道を調査していた火山学者がこの火山灰を見つけて「苫小牧火山灰」と名付けられました。



その後、日本海の海底でボーリング調査が行われたところ、多くの地点で白色の火山灰層が見つかりました。


これらがどこから飛来したのかを知るために、調査をした結果、日本産の火山灰とは化学成分が異なり、かつ中国大陸に近づくにつれて火山灰層が厚くなることが判明しました。


供給源をたどると、白頭山から飛来したらしいと推定されたのです。



今後いつ巨大噴火が起きてもおかしくない!


白頭山は小規模なものも含めると、100年に一度くらいの割合で噴火を繰り返しており、約1000年に一度の割合で巨大噴火を起こしています。


そして現在、946年の大噴火からすでに1000年以上が経過しているため、白頭山の地下には1000年分のマグマが溜まっている可能性があるのです。


もひ白頭山に蓄積されたマグマが一度に噴出すれば、再びそうした火山災害が発生するおそれがあります。


10世紀の当時と比べ、人口増加とハイテクが進んだ現代社会のほうがはるかに大きな打撃をこうむるのは必定です。



もし白頭山が巨大噴火を起こしたら?


もし、また10世紀と同規模の噴火が起これば確実に大惨事となります。


とくに山麓にある北朝鮮と中国東北部は、大量の噴出物によって壊滅的な被害を受けます。


災害はマグマによるものだけではなく、噴火が始まるとすぐ、頂上の火口湖から20億トンの水が流れ出し、大規模な洪水が襲います。


また、遠く離れた韓国と日本でも、降灰にともなう災害が起きます。


大気拡散モデルを用いてシミュレーションすると、冬に噴火すれば偏西風の影響で火山灰は東南へ拡散すると予測されます。


具体的には、8時間で鬱陵島に到達し、12時間後に山陰地方に上陸し、18時間後に東京へ達するのです。



また、火山灰が漂う空域を通過する航空機はすべて運航停止となります。


航空機にとって火山灰は大敵で、エンジンが火山灰を吸い込むと高温で溶け、排気口に付着。最悪の場合エンジンが停止して墜落に至ります。


そのため火山灰が浮遊する空域では、国際的な取り決めで全面的に飛行禁止となるのです。



また、火山灰はそれ以外の産業、交通、医療などあらゆるものに大打撃を与えます。


実際に日本政府も2014年の参院予算委員会で、白頭山噴火に関する情報収集を行っていることを明らかにしました。


白頭山大噴火はもはや1地域の自然災害では済まず、混乱は東アジア全体にまで波及するリスクをはらんでいるのです。



巨大地震は誘発されるのか?


もうひとつの懸念材料が、白頭山大噴火が東アジアで起きている地震と連動するのかどうかです。


過去の白頭山の噴火と海で起きる巨大地震を分析したところ、噴火と地震との相関があることが明らかになってきました。


たとえば白頭山は1373年、1597年、1702年、1898年、1903年、1925年に噴火しているのですが、その前後に必ずマグニチュード8以上の巨大地震が発生していたのです。


また、946年の巨大噴火も、869年に東北地方太平洋沖で起きた貞観地震と関連が強いと考えられています。


そして、こうしたデータや東日本大震災が発生したことも考慮して、白頭山は2032年までに99%の確率で噴火を起こすと一部の専門家によって予測されています。


さらに地震学者の間では、この噴火の前後に南海トラフ地震や北海道巨大地震などの大規模な地震が日本でも起こるのではないかという指摘もあります。


ちょうど噴火時期が南海トラフ巨大地震が地学的に発生するであろう時期とかなり近いということも関係しています。



現在、白頭山の地下はどうなっているのか?


実は、白頭山はここ数年、活発な活動を示しており、噴火の兆候ではないかと世界中から注視されているのです。


2002年から2005年に頂上付近で火山性地震が増加し、また温泉水の温度上昇と、火山ガスの噴出などが認められたと報告されています。


さらに測量の結果、山頂付近で隆起が確認されたという報告もあります。



その後、アメリカ、イギリスの科学者も現地に入り、地震波による調査をした結果、白頭山の下には岩石が部分的に溶けたマグマだまりがあることが判明しました。


このマグマは過去に大噴火を起こしたものと同じで、いま起きている様々な火山活動の原因と考えられます。


白頭山が噴火のスタンバイ状態にあることは確かですが、何をきっかけにいつ噴火が始まるかは予測ができないのが現状です。