南海トラフ地震警戒情報

自ら四国沿岸部へ移住し南海トラフ地震の観測、研究をしています。南海トラフをはじめ、その他の巨大地震などを潮位、地殻変動、マグマ、火山活動や静穏化現象などの様々な異常を総合判断し、警告します。 ※人的被害を減らすのが目的で、予言などではありません。


非常電源設備の目的と電力供給範囲を把握しておく

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非常電源設備


大規模なマンションや商業施設に非常電源設備を装備している建物も増えてきました。


これらの非常電源設備の多くは、軽油、重油、ガスなどの燃料が必要です。


燃料がある間は、必要な電力を施設内へ供給することが可能になります。



この「非常電源」は大きく次の3種類に分けられ、それぞれ役割が異なります。


①非常電源


「非常電源」は、電力供給が失われたときにすぐに機能し、最低限の避難誘導などの機能を果たすため消防法上義務づけられている「非常電源」が代表的で、主に消防用設備への電源を供給することを目的としています。


消火に必要なスプリンクラーや消火栓などが機能するように、消火設備に必要な電力供給を行えるように、2時間以上の運転時間を必要とされています。


②予備電源


次に建築基準法上の「予備電源」というものがあります。


消防用の非常電源と同様に、施設から退避するために必要となる非常用照明や排煙設備などに使用されます。


また、外部電源を失った時にエレベーターなどを最寄りの階数まで運転させるなどの役割も果たします。


外部電源を失ってから最低30分以上電源供給できるように義務づけられています。


③業務用電源設備


施設が業務を継続するために必要な電源を供給するための装置ですが、これはさらに「保安用」と「業務用」に分けることができます。


保安用は消防法上の非常電源を失った後でも、必要な時間施設の保安設備に電源を供給し続けるもので、監視カメラの電源や施設内の通信設備、保安管理センターの維持などに使用されます。


一方、業務用は、施設が業務を維持継続するために必要な電源を供給するものです。


病院機能を維持したり、放送事業を維持したり、大地震発生時でも通常通りの機能を維持するために長時間の電源供給を目的としています。



非常電源設備の使用範囲


勤務先や住居に装備されている非常電源設備がどのような目的で、施設のどの範囲まで電源供給されるのかを確実に把握しておく必要があります。


照明やエレベーターなど目に見えるものに電源供給されるとは限りません。


上水道タンクへのポンプへの電源供給や、監視カメラ、ビル管理センターなどへの限定的な電源供給のケースも少なくありません。


居室空間への電源供給も、赤く色分けされた非常電源用コンセントのみで、それ以外の電源の使用は不可というケースも実際には多いです。


電源の目的、使用範囲、容量などを事前に把握しておかなくては、万が一の時に混乱してしまうことになりかねません。



また、これらの非常電源設備には、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ガスタービンなどの発電機による発電装置や、最近では太陽光発電や水素を燃料とする、燃料電池と蓄電池の組み合わせなどもあります。


これらの中で全体的に数量が多いものがディーゼルエンジンを使用した非常電源設備です。


エンジンと共に装備している燃料タンクの容量によっても異なりますが最大で72時間の連続運転が可能とされています。


つまり、燃料がある、燃料が供給されることが前提で「3日間」は電力供給を受けられるということです。


また、どのような燃料でも当然タンクがあり、エンジンまで供給管などの配管類を経由して供給されます。


同時に排気ガスを排出するための排気管、エンジンを冷却するための空気流入や、水冷装置など、エンジン本体以外に周辺のシステム全体が期待通り機能しなくては長時間の運転はできません。


例えば水冷エンジンを使用する場合、ラジエターなどが損傷を受け、エンジンの冷却ができない場合には、長時間の発電は不可能です。


また、ガスタービンなどの場合、燃料が都市ガスであった場合に、地震により都市ガスの供給が停止すれば当然発電することはできなくなります。


あくまでも、システム全体が機能してはじめて設計通りの性能を発揮することが可能です。


発電に必要なシステムのどこかに問題が発生すれば非常電源装置は期待通りの性能を発揮できないか、最悪の場合停止してしまいます。



非常電源設備用の燃料輸送


東日本大震災の時、首都圏ではガソリンや灯油も自由に購入することができない状態が、約1ヶ月ほどの間続きました。


これは被災地を含む東日本の広い範囲で製油所、油槽所が合計16カ所で停止しました。


そこへ大阪の大規模製油所が定期点検中であったこともあり、石油精製能力は60%台まで低下しました。