南海トラフ地震警戒情報

自ら四国沿岸部へ移住し南海トラフ地震の観測、研究をしています。南海トラフをはじめ、その他の巨大地震などを潮位、地殻変動、マグマ、火山活動や静穏化現象などの様々な異常を総合判断し、警告します。 ※人的被害を減らすのが目的で、予言などではありません。


首都直下地震発生時の膨大な数の負傷者、避難者に対応しきれるのか?

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警察や消防は対応しきれるのか?


首都直下型地震による建物自体の崩壊、建物の中での事故、火災、エレベーターの閉じ込め、一次待避所や避難所の治安維持、そのすべてに人による対応が不可欠です。


自治体による資料では東京都内だけでも1590万人以上の人口がいます。
関東全体では3000万人を軽く超えます。


日本国民の4分の1が集まっている地域に震度7の巨大地震が発生するのです。



それに対して首都圏の警察官の人数は8万3000人程度です。
この人数は警察官全体ですので、そのうち外勤可能で、なおかつ100%稼働している訳ではありません。


外勤者の中で、その日すぐに活動可能な警察官を多く見積もって50%程度とすると全体で2万人ほどになります。



地震発生直後は非番警察官をすべて召集すると考えられますが、もちろん警察官も皆が無事だとは限りませんし、鉄道は動かず、道路も大渋滞、官舎は署の近くにあっても実際に行動するための車両や無線機は稼働する人員分が計算されて運用されているため、人だけが集まっても、活動量全体が倍になるようにすることは困難です。



平成27年に公開された内閣府の首都直下型地震緊急対策推進基本計画によると、警察官は近隣を含む全国からの応援されるとともに、警察官OBや地域の民間人による警備の組み合わせ案が示されています。


近隣や全国からの警察官の応援は必ず実施されますが、道路に残された瓦礫や放置車両、72時間を境に発生する非常電源設備の燃料枯渇とともに発生する通信設備の停止、無線機の充電不可状態の中で、指揮・指令を正しく伝えることは非常に困難です。


全国から大量の警察官が投入された場合でも、指揮系統が機能しない上に、警察官の宿舎、食料、車両の燃料確保などを確保できるかどうか、具体的な記述は計画書の中にはありません。



応援が到着し、組織として機能するまでの間、そこにいる4万人弱の警察官が3500万人を相手にしなければなりません。


相手は水や食料が十分でない中、いきり立ち、中には武器を持つもの、略奪する者、場所を占領する者もいるでしょう。


そんな中、通信も満足に使えな中、警察官にすべてを期待することは、自身の避難行動を決定する上で危険な発想になるかもしれません。


そして何より警察官の生命も守らなければなりません。


地震発生直後から時間が経過し、混乱が軽減され、電気の供給が開始されたときに、警察官は必要な人員です。


警察官だから危険な状態に置いても大丈夫だというものではありません。


消防吏員はさらに少数


消防官は警察官よりも少数で
首都圏全体で4万2300人ほどの配置です。


また、警察官と同様100%稼働していることはないのでそのうち半数以下が実稼働人数でしょう。


地震発生直後から、非番の吏員も駆けつけますが、それでも4万人弱で、中央防災会議で想定されている要救助者7万2000人を、揺れや液状化で全壊または損壊している19万7000棟に対応し、3万台以上のエレベーター閉じ込めにも対応しなければなりません。


全壊または消失数の最大61万棟への対応は事実上困難な状況です。



火災対応が最優先


優先順位をつけ、火災対応を中心に対応することが考えられます。


そのため火災が発生しない倒壊や損壊建物はしばらくの間、対応が待たされることが想定されます。



監視カメラもなく、警察官の活動も厳しい中、消防吏員もまた厳しい戦いを強いられます。


治安の悪化が進むと、窃盗後や放置自動車に火をつける輩も出てくる可能性があります。


中には明かりや、暖をとるために火をつける人達も出てきます。


消火水が十分に無い中、それらの火が周辺に燃え移ったりし、新たな火災を招くかもしれないのです。


火災の広がりや危険性、消火活動の困難さとともに、人による新たな火災の発生などの危険性を認識しておき、とりあえず建物の中に避難できたから安心、という訳にはいかない状況をあらかじめ検討しておく必要があります。



自衛隊


東日本大震災での自衛隊の活動全体の貢献に疑問を持つ人は少ないと思います。


日夜に関わらず陸から、空から、海から様々な形で災害派遣を実施し、多くの人命を救った活動は記憶に深く刻まれています。


首都直下型地震ではそれ以上の活動を多くの人々が期待しているでしょう。



自衛隊は首都直下型地震には二つの課題があると公表しています。


ひとつは、首都直下型地震発生時には、東日本大震災と比して、大量の負傷者が発生されると想定されるところ、自衛隊が人命救助に優先的に対応できる体制の構築及び実働機関の役割分担の検討が必要である。


もう一つは、人命救助や障害物除去といった、首都直下型地震による被害への一時的な対応に加え、首都機能の維持及び回復に努める必要があるところ、人命救助に優先的に対応する中で、自衛隊が対応すべき首都機能維持または回復の範囲を限定し、明確化する必要がある。


つまり、自衛隊は首都直下地震発生時の実働機関との役割分担に何らかの問題が発生する可能性があると、すでに認識していることを明らかにしています。



現在計画されている活動内容


首都直下地震発生時、数時間後には航空機の集結が完了しています。


並行して首都圏近隣から1万5000人を集結させることになっています。


3日目まで、この1万5000人と航空機による負傷者や避難者の救助が実施されます。


3日目に近畿、中部、東北地方から5万5000人の集結が完了します。


並行して艦艇も3日目には集結を完了し、その後も全国の各部隊から兵員が輸送され、5日目には8万5000人が集結、最終的には10万人程度になります。



自衛隊はこれらの自衛官を人命の捜索、救助、救護。生活支援として給水、給食、宿泊施設の設置を行い、さらに輸送路の確保のため、警察とともに道路啓開も行う計画になっています。