南海トラフ地震警戒情報

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首都直下地震の道路事情 東日本大震災でも実現できなかった道路規制

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道路規制


警視庁の車両規制の方針は、震度5強以上の地震で、環七から都心方面への車両進入を禁止、環八から都心方面への車両の進入を抑制するとともに、国道4号線、20号線、17号線、256号線、目白通り、外堀通り、および首都高速道路、高速自動車道は交通規制が行われ、緊急自動車を優先して通行できるようにします。

これが一次規制です。



二次規制は震度6弱以上の地震が発生した場合に、31種類のルートが一次規制道路に加えられ、通行規制が行われます。


緊急自動車の通行を優先するために、道路上の車両は鍵をつけたまま左路肩に寄せて、避難することになっています。


しかし東日本大震災の際、震度5強の揺れを感知した首都圏では、道路を数え切れないほどの自動車の列が埋め尽くしていました。


このように一次規制ですら、実際は警視庁の計画は実施することができず、まったく逆のことが起きていました。


一般車両は環七も、環八も自由に通行しており、電車が停止したために人々はタクシーやバスに移動手段を求めて長蛇の列を作りました。


鉄道が停止しただけで、建物の倒壊もなく、橋が崩れることもなく、停電も起きていない、人々の秩序も保たれた状態ですら、車両は道路を埋め尽くし長い渋滞を作っていたのです。


これでも実際に首都直下型地震が発生したときには、警視庁が規定した一次規制、二次規制が期待通り施工することができ、外部からの支援活動緊急物資輸送、内部からけが人や病人の移送などが順調に行われるといえるでしょうか。



政府の被害想定


首都直下型地震の際の首都圏の道路状況を考えた被害想定が、中央防災会議の資料にありました。


要点をまとめると次のようになります。


・まったく動かない渋滞によるガス欠
・または電気自動車の電力喪失
・電柱が倒壊し、道路を塞ぐ
・瓦礫を処理する車両の手配は困難
・緊急車両の移動、燃料の確保も困難
・道路そのものの損壊
・延焼火災による通行不可
・放置自動車などによる渋滞
・放置自動車の移動も困難
・外出者が一斉に帰宅を始め混乱が悪化

などの想定になっています。


他にも液状化の影響を受け、橋梁が使用できなくなるケースや、道路周辺で火災が発生している地域では燃料を積んだ車そのものが燃え、延焼を広げる原因となる可能性もあります。


特に大きな問題は、何とかして目的地へ向かおうとする車両が多すぎて、結果として交通規制ができなくなることによる渋滞の連鎖、継続です。



なぜ道路規制が徹底されないのか


車両の鍵をつけたまま、緊急自動車の邪魔にならないように放置することができないことには、いくつかの理由が考えられます。


まず、企業が車両や、車両に搭載している商品などについて、首都直下型地震が発生したときの責任の所在を明確にしていないことが理由の一つと言えます。


例えば、業務で車両を使用している従業員が「首都直下型地震発生時に車両と商品を放置しても責任を問わない」と明確に宣言している企業の話を私は聞いたことがありません。


責任の所在が不明であれば、従業員は「その通行の妨げにより失われる命の数」よりも「将来車両や車両に搭載している商品の盗難や故障修理の責任を問われる」ということで頭がいっぱいになってしまいます。


「首都直下型地震が発生した場合には、行政の指示に従い、車両や商品の損失責任を問わない。」
と明確に、就業規定や雇用契約書に記載するだけでもかなり効果的な減災活動に繋がるということを知っていただきたいです。



またもう一つ考えられる理由が、「車は個人の重要な財産」ということです。


高額な購入物である車を「捨てていけ」と指示しても、従う人が少ないのは当然のことだとも言えます。


誰だって、何とかできることなら自宅や避難所まで車を持ち帰ろうと考えるのは仕方のないことです。


しかし、首都圏の全電力を喪失し、通信手段を失った場合に、「もったいない」「なんとか乗って帰りたい」という気持ちは、自動車を運転する自分自身の生命を危険に陥れる危険性があることを覚えておいてほしいです。


監視カメラが機能しなくなり、無線機の充電もままならなく、人数も満足無く、行動が制限される警察官などの治安維持活動が低下する中、人々は帰宅するためなどの目的地に向かって、黙々と道路にはみ出しながら列を作り歩いていることでしょう。


そこに燃料があり、寒さから身を守っている運転手が乗っている車があれば、難癖をつける人は必ず出てきます。


車の強奪、金品狙い、ただただ暴力的な行動にでる人など...


しかしそのとき、車を自由に走らせ、逃げることは難しいです。
前も後ろも渋滞で動けない状況で、車を守ることも、自身を守ることも困難になるのです。


道路は渋滞、移動困難な放置自動車、ケンカなどの争いごとや、放火、強盗など様々な事が起きる、危険で秩序のない状態になる可能性が高いといえます。


長期の停電が発生したとき、車を放棄せずに、渋滞の列に加わっている。
ただそれだけで、危険な場面に遭遇する可能性が高まることを自覚して行動する必要があります。



道路規制を徹底するには


このような起こり得る最悪の事態を極力減らし、道路規制を正常に行えるようにするためには、


まず車両が企業の所有物であっても、鍵をつけた状態で放棄し、身の安全を確保すること、そしてその後の責任を問われないことを企業側は文書上で明記し、従業員に徹底しておく必要があります。


そして、警察などの行政機関は、交通規制に従い、鍵をつけたまま路肩に放置された車両が第三者によって犯罪に使われたりした場合、車両所有者の責任を一切問わないことを、法律や条令のなかで明確にし、企業へ通知しておく必要があります。


また、任意保険などでこのような場合の損失をどうするかなど、人が安心して行政の指示に従って行動ができるような環境を国全体で作り上げていかなければ、今後、首都直下型地震発生時に、東日本大震災のときと同じように時間の経過とともに車両を目的地まで運転し、道路を使用できるという考えのもとに、車は道路を塞ぎ、延焼の原因をつくり、更なる犯罪を引き起こす原因になることが想定されます。


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