南海トラフ地震警戒情報

自ら四国沿岸部へ移住し南海トラフ地震の観測、研究をしています。南海トラフをはじめ、その他の巨大地震などを潮位、地殻変動、マグマ、火山活動や静穏化現象などの様々な異常を総合判断し、警告します。 ※人的被害を減らすのが目的で、予言などではありません。


南海トラフ巨大地震でも活躍が期待される「衛星電話」と「GPS」

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通信の復旧


東日本大震災では、地震発生直後より全国的に電話が通じなくなりました。


現代、スマートフォンなどの電話機は生活の必需品となっており、災害時につながらないことはそれだけで私たちを不安にさせます。


また全国から被災地に向けて、安否確認の電話やメールが殺到して交換機をパンクさせたことも忘れてはなりません。


そのため各通信会社は、やむをえず発信規制を行いました。
回線がパンクすれば、消防や警察への優先回路までも使えなくなる恐れがあるためです。


地震当日、NTTドコモでは90%、KDDIが95%、ソフトバンクが70%の発信を規制したといいます。


さらにドコモでは、約100ヶ所の基地局が津波の直撃を受け、東北と関東で約6700の基地局が機能しなくなりました。


設備そのものが壊れてしまった場合もあるし、停電によって電源が失われた場合もあります。


停電の場合は予備バッテリーで動くように設計されていますが、数時間から数十時間の停電にそなえるものしか用意されていないため、広範囲で長期にわたる停電には対応しきれませんでした。



各社はすぐに復旧作業を始めましたが、やはり人口の多い地域から作業を進めざるをえません。
そこで各社はただちに移動基地局車を全国各地から被災地へ向かわせました。


しかしこれも、道路の寸断や渋滞によってすぐというわけにはいかず、結局復旧は4月末までかかりました。



唯一被害を受けなかった衛星電話


こうした混乱した通信状態のなかで、地震や津波の被害を受けなかったのが衛星電話でした。


衛星電話は国内ではNTTドコモのワイドスターやKDDIのイリジウム、日本デジコムのインマルサットなど複数の企業で取り扱われています。


まだ端末代金が高いという問題がありますが、東日本大震災の被災地となった陸前高田の病院では、設置していた一台の衛星電話がまさに「命綱」となりました。


日本の金融機関ではこれらの経験を生かし、東京、大阪、神戸などの主要拠点に衛星電話を設置し、東京と大阪といった遠隔地にコンピューターシステムの拠点を置くなどして、情報の安全性と業務継続の即応性を高めています。



GPSの活躍


東日本大震災では、「GPS」も大いに活躍しました。

GPSはアメリカが打ち上げた人工衛星30基とのやり取りで、現在位置を把握することができるシステムです。


本体は宇宙にあるため、当然地上の災害とは無縁でいられます。


普段はカーナビや、スマホなどに使われていますが、これは携帯電話の通話が困難な時にも活用できます。


例えば、東京の別々の会社で働いている夫婦で、お互いが帰宅困難になったために相手の状況が分からないという場面で、リアルタイムでお互いの現在位置を発信しあえるツールを活用した人もいました。



また大手自動車メーカー各社が協力しあい、震災直後に通行可能なルートを地図上でリアルタイムに表示するサービスも立ち上がりました。


カーナビ自体は、複数の人工衛星からの電波を用い、三角測量の原理で車の現在位置を測定する機器です。


これを拡張するのがプローブ情報システムというもので、会員は携帯電話などを介してセンサーと通信し、最速ルートを案内してもらったりします。
当然、センサーのサーバーには全ユーザーの交通情報が蓄積されています。


そこで東北地方を実際に走る車の情報を集約すれば、どの道が通れてどの道が通行不能になっているかが一目瞭然となります。


これは政府の音頭で本田技研、パイオニア、日産、トヨタの大手4社が情報を公開して実現しました。


またその後は、防災科学技術研究所がボランティアカメラマンの協力で、GPSを活用した復興支援を行っていました。


カメラとGPSを連動させ、撮影対象がどのような被害を受けているかをわかりやすく表示しました。


その画像データには撮影日時だけでなく、GPSによって位置情報も正確に記録され、「いつ」「どこの」というデータを関連づけることができます。



大震災で全壊、半壊した家屋に、自治体が証明書を出す際、これまでは職員が直接現地に行って目視で査定する必要があり、膨大な時間がかかっていました。


しかしこのカメラとGPSによる情報集約で、自治体は職員を派遣せず、迅速に証明書を発行できるようになりました。



将来にかならず起こる東海・東南海・南海地震のような広域災害において、あらゆる場面でより効率的で合理的な対処が求められますので、こうした通信システムの活用はますます重要となります。