南海トラフ地震警戒情報

自ら四国沿岸部へ移住し南海トラフ地震の観測、研究をしています。南海トラフをはじめ、その他の巨大地震などを潮位、地殻変動、マグマ、火山活動や静穏化現象などの様々な異常を総合判断し、警告します。 ※人的被害を減らすのが目的で、予言などではありません。


熱移送の研究により、今後地震の予測技術は加速する 南海トラフ地震の前兆としてみられる特徴

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なぜプレート説は正しくないのか。
熱移送説が証明されるキッカケともなったマントルトモグラフィとは何なのか?

そして熱移送によって、大地震はどこまで予測することができるのか?
事実のみを詳しく記事にしましたので、興味のある方はぜひ読んでください。



大地震の多くはプレート説では説明がつかない


仮にプレート説が正しいとすると、地震発生の説明が困難な場所が数多くあります。


そのなかで、最もわかりやすいのが2008年5月に中国で発生したM7.9の四川大地震です。



中国内陸部にある四川省は、日本海溝の衝突・沈み込み帯から約2500km、ヒマラヤの衝突地帯からも約2000km離れています。


もしプレートの衝突力がそれほど離れたところまで及ぶのなら、衝突帯の近く、例えば日本でなぜそれより大きな巨大地震が起こらなかったのでしょうか? それをプレート説では全く説明がつかないのです。



しかし、熱移送説では簡単に説明ができます。
四川大地震の約1年前、2007年5月にミャンマーで地震が起きたときに、ある研究者はその熱エネルギーの移動速度と移動ルートから「熱エネルギーに余力があれば、中国の雲南から四川あたりで地震が起きる可能性がある」と埼玉大学の学生たちに講義で話していました。



この熱移送説の講義を聞いて、ちょうど一年後に本当に四川で地震が発生しました。



プレート説の否定


プレート説は、
海嶺でプレートが誕生する
プレートは冷たく巨大で壊れない板状岩盤である
プレートは遠距離移動する
という3つの原則で成り立っていますが、そのすべてが観測事実で否定、あるいは未確定なのです。


これは「マントルトモグラフィ」いう技術により、地球の内部を画像化できるようになったことが大きな要素です。


海嶺プレートが誕生する


熱量計や磁力で温度を調べてみると、プレートが生まれるはずの海嶺に熱いマントルは存在しなかった。


プレートは冷たく巨大で壊れない板状岩盤である


太平洋の地下1000kmまで温かく、冷たい巨大岩盤はなかった。


プレートは遠距離移動する


これについては、東京大学教授の上田氏が「マントルにはプレートを動かせるほどの力がない」ということを証明しました。



地球内部の実像が把握できるようになった


つい最近、地球内部の正確な実像がつかめるようになり、さらにこの熱移送説によって地震が発生しているという根拠が強くなりました。


それが「マントルトモグラフィ」という技術です。


マントルトモグラフィとは?


これは簡単にいうと、地球版の「MRI」のようなものです。


医療で使われるMRIの原理を簡単に説明すると、
人間の細胞膜には磁気に反応する陽子があります。


まず位置の決まった細胞にしるしをつけ、コンピューターに記憶させます。
↓↓↓
次に磁気をかけると、バラバラの向きだった細胞がそれに反応して整列します。
↓↓↓
磁気を切ると、整列していた細胞はまた元に戻ります。


このとき、異常のある細胞は戻らない、もしくは戻りが遅いです。
周りの細胞と比較して、戻りが遅い細胞をコンピューターで探して、その位置を特定し画像化するというものです。



この原理を、地球内部に応用したものがマントルトモグラフィです。


まず地球を数十万個の岩石と仮定した立方体に分けます。
(この立方体がMRIでの細胞にあたります。)
↓↓↓
次に個々の立方体にモデル地震波速度を記憶させます。
(MRIでは細胞に磁気をかけた状態)
↓↓↓
最後に、観測で求められた速度を通過した立方体に入力し、モデル速度に近づけるための計算をします。


異常に遅い速度の計算誤差が出た場合、その立方体部分は、高温で溶けたために遅い速度になったと結論づけることができます。


こうして内部の温度状態を推定し、画像を作成します。



マントルトモグラフィによってわかったこと


この技術によって様々なことが明らかになりました。


例えば、
マントルには対流があるとされてきましたが、実際はアリの巣のように熱い部分と冷たい部分が入り組んでいるということがわかりました。


そして、地震が特に多い日本列島やスマトラ島、サンフランシスコなどは最も熱い区域となっているのに対し、地震が少ないことで有名な地域であるカナダ中央部や西オーストラリア、シベリアなどでは極低温域となっていることが明らかになりました。


地下が高温から中温であることが、地震発生の必要条件であるということが徐々に証明されてきているのです。



熱の移動ルートから大地震を予測する


南太平洋の地下深くで生まれた熱は、北上しながら3つのルートにわかれています。


一つ目は、フィリピン~台湾~沖縄~九州と続いています。
二つ目は、フィリピンあたりで枝分かれし、マリアナ諸島~伊豆諸島~東日本というルートです。
三つ目は、スマトラ島~中国へと辿るルートです。


これらの移動ルートから、火山活動に注視することで、次にどこで地震が発生しやすいのかがある程度わかってくるというのです。


例えば、伊豆諸島周辺で火山の噴火活動が活発になると数年後に関東南西部で地震が起こる可能性が高いということが推定でき、南海トラフの場合は発生する数年~十数年前から、九州から関東までの火山活動が活発になるという特徴があります。


また、スマトラ島での火山活動が活発になったあと、5年以内に横河中流域で大地震が起きるとも言われています。



1985年以降に西向きの熱移送が強まり、2000年から東アジアで火山や地震活動が活発になりました。
そのエネルギーの流れのピークだった2004年にスマトラ島沖で巨大地震が発生したと言われています。


地震は地下が高温から中温の場所でしか発生しない、そして熱エネルギーは年間約100kmのペースで北上する。
また、高温域の移動に伴い、地震は深いところで起きて、次第に浅いところへ移っていく。

この説が正しければフィリピンで地震が発生した場合、その何年後に日本で地震が起きるかが、ある程度予測ができるということになります。



次の記事にあげますが、
「想定外」、「あり得ない」と頭を抱えていた東日本大震災の発生メカニズムも、この熱移送説では、細かく説明ができます。

当事務所でも最近になり、ようやくこの説について勉強をし、徐々に研究をすすめ始めました。